日本赤十字社(日赤)は8月24日、「関東大震災100年プロジェクト」の一部として計画していた、生成AIを使った企画展示とWebサイトへの掲載を取りやめると発表した。「本来の意図が伝わらず一部で誤解を招いた」としている。
取りやめるのは、東京都支部が企画した「100年前の100人の“新”証言 〜データとAIで紐解く、あの日に起きたこと。」。東京都支部の1階エントランスの壁に飾られている、関東大震災当時の赤十字の救護活動を伝える絵に描かれた避難民たちをモチーフにした。
ChatGPTをベースとするLLMに当時の文献60万字以上の情報を読み込ませ、震災発生当日に起こったことを被災者が語るショートストーリーを作成した。100人のうち20人については人物画像もAIで生成した。
しかし企画内容が報じられると、SNSを中心に「証言を生成はない」「AIねつ造」「冒涜では?」など批判的な声が多く上がった。中には「数年後には史実として語られてそう」と心配する声もあった。
日赤は「AIという新しい技術のサポートを得ることで、描かれている当時の状況やそこから見出せる教訓などを想像しやすくなるのではないかという想いから企画いたしました。関東大震災に関心をもっていただき、少しでも防災に備える行動をとっていただくことが、本プロジェクトの一番の目的でした」と説明している。
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