湾曲ディスプレイの場合、中心部はそれほど曲がっておらず、外側の左右が曲がっています。そのため、画面をフラットに見る必要がない画面を左右に配置します。湾曲しているので、それが若干手前にきます。そして、21:9の横幅では、ちょっとだけ手前にくるだけでも少し目に入りやすくなります。体感的には、それまで少し首を振らなくていけないものが、目の動きだけで見ることができる感じ、と思ってもらえば大丈夫です。
そのため、まっすぐにディスプレイを見ると視線が自然と中心部に集中します。この感じは、ゲームや映画では「没入感」という表現となるのですが、ビジネス利用の場合には、メインの作業に「集中できる」という表現が適切な気がします。実際に自分の環境に置いてみて作業してみないと気づかない点でした。
こういったテストをしながら、ディスプレイそのもの設定も調整していきました。私の作業環境では、こういう感じで落ち着きました。
ここまで、メリットの話ばかりしてきましたが、ディスプレイが曲がっている湾曲ディスプレイをビジネス用途で使うことのデメリットについても触れておきます。
まずは、左端右端の湾曲が気にならないか? という問題です。これは慣れの部分もありますが、例えば写真の調整みたいな作業をする際には、中心部以外はどうしてもゆがみが気になります。
ただ、その場合も普段は画面の邪魔になっているナビゲーションやメニューなどを全部出してしまうことで、自然と作業部分は真ん中にのみ表示されるという感じに工夫できます。なにしろ、幅はまさに広大なわけですから。
そして、そもそもビジネス用途で21:9である必要はあるのか? という問題もあります。普通に使っていれば、16:9で十分という話も分かります。この記事の最初の方で、Windowsは今後、Copilotは常時表示になってくるだろうという話をしましたが、当面はCopilotなんか使わないという意見もあるでしょう。
でも、在宅でも勤務することが多い人であれば、ビデオ会議の画面、Slackなどのビジネスチャット、それ以外のSNSの画面ぐらいは常駐させている人も少なくないはずです。LINEもPC版ありますからね。
そうなってくると、画面をメインとサブという分け方で使うのではスペースが足りなくなってきます。メインとサブとサブぐらいは必要になってくるのです。
もちろん、そう考えたとしても、それなら16:9で大きいディスプレイにすればいいという意見もあるでしょう。ただ、16:9の32インチはフレームがない場合でも縦が約40cmで横が約70cm、27インチでも縦が約34cmで横が約60cmとかなりの高さ。32インチ(縦40cm)を実際に机の上に置くと、上から下で視線を移すだけで首を動かす必要が出てくるのです。
さらに、16:9のディスプレイをさらに大きくしたい時、主要メーカーのラインアップでは、32インチの次はもう43インチです。これは一般的な感覚では大きすぎるサイズです。
だいぶ文字数が増えてしまったので、整理します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR