ITmedia NEWS > STUDIO >
セキュリティ・ホットトピックス

Google、AndroidスマホのAI採用盗難防止やデータ保護の新機能を複数発表Google I/O 2024

» 2024年05月16日 08時52分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは5月15日(現地時間)、Android端末の盗難防止やデータ保護のための新機能を複数発表した。次期OS「Android 15」向けのもの以外に、Android 10以降で使えるものも含む。

 スマートフォンを盗む目的は、工場出荷状態に戻しての本体の売却だけでなく、搭載されている決済アプリやカードを悪用しての送金、要人の場合は個人情報入手などだ。新機能はそれらの対策になる。

ひったくられたらAIが自動画面ロックする「Theft Detection Lock」

 「Theft Detection Lock」は、Android端末に急な動き(手から奪って走ったり自転車や車で急速移動するなど)が加わると、それをGoogle AIが検出し、画面をすぐに自動的にロックする機能。これですぐに工場出荷状態にリセットされる可能性は低くなる。

 detection lock 「Theft Detection Lock」

盗難者が端末をオフラインにするのを防ぐ「Offline Device Lock」

 盗難者は持ち主が「デバイスを探す」などを使うことを防ぐため、端末をオフラインにしようとする。「Offline Device Lock」は、こうした行為を検出して自動的にロックする機能だ。この他、認証を何度も失敗することでも画面をロックする。

別の端末からのロックを可能にする「Remote Lock」

 Anrdoid端末が盗まれたことにAIが気づかなくても、別の端末から携帯番号といくつかのステップだけで盗まれた端末の画面をロックできるようになる。

 別の端末のWebブラウザでandroid.com/lockにアクセスし、携帯番号とセキュリティ要求に入力する。

 remote lock リモートロック

「デバイスを探す」の無効化阻止のためのステップ追加

 「デバイスを探す」を使うと、リモートで位置を確認したり、音を鳴らしたり、デバイスをロックしたりできる。盗難者はこれを避けるため、「デバイスを探す」を無効にしたり、画面のタイムアウトを延長したりしようとする。その対策として、これらの操作にPIN、パスワード、生体認証を必須にする。

PINを知られても設定を変更されにくいように

 PINを知られてしまっても設定を変更されにくいように認証ステップを強化し、PINの変更、盗難防止の無効化、パスキーへのアクセスなどへのアクセスに生体認証を必須にする。

工場出荷リセットをより困難に

 盗難者が設定を変更してロック解除に成功しても、工場出荷時状態にリセットし、再セットアップできなければ転売できない。そこで、出荷時設定へのリセット保護を更新し、再セットアップにGoogleアカウントの認証情報の入力を必須にする。

送金や個人情報窃盗を防ぐための「Private Space」

 「Private Space」は、端末の転売ではなく、カード情報などを使っての送金や個人情報の入手が目的の盗難者から情報を守るための機能。

 端末内に大元のPINとは別のPINで非表示にし、ロックできる別の領域を作る。ここに医療や財務情報などの機密データが含まれるアプリを保存しておける。

 private Private Space



 出荷時設定へのリセット保護の更新とPrivate Space以外の機能はAndroid 10以降で利用可能になる見込みだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.