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LINEヤフー「脱NAVER」へ高いハードル 大きなシステム依存度、韓国世論も影響

» 2024年06月04日 17時50分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 「LINEヤフー」の資本関係を巡ってはソフトバンクが、韓国NAVERとともに50%ずつ保有するLINEヤフー中間持ち株会社の株式を買い増す方向で議論されている。LINEヤフーもNAVERへの業務委託を終了すると表明したが、システム構築などの面でNAVERへの依存度は大きく、「脱NAVER」実現には高いハードルがある。

 LINEヤフーの出沢剛社長は5月8日の決算会見で、システム運用を含む全般的な業務についてNAVERへの委託を終了すると述べた。翌9日にはソフトバンクの宮川潤一社長が決算会見で、LINEヤフー中間持ち株会社の株式の買い増しに向け、NAVER側と議論していると明かした。

 ただ、いずれも実現難易度は高い。LINEヤフーは1度目の行政指導後に提出した再発防止策で、NAVERとのシステムの完全分離の実現を2年以上先と設定。総務省の理解を得られずに2度目の行政指導を受けたが、それだけNAVERへの依存の解消が難しいことを示している。

 さらに、LINEヤフーへの影響力低下を懸念する韓国の世論にも影響され、ソフトバンク側とNAVER側の交渉も長期化が濃厚だ。

 一方、松本剛明総務相は5月24日の閣議後記者会見で「経営権を奪うといった観点から資本の見直しを求めたものではない」と強調。具体的かつ実現可能な再発防止策の提出を求めており、LINEヤフーが7月1日までに行う予定の総務省への報告内容に注目が集まる。(根本和哉)

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