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「PLATEAU」って知ってる? 日本の都市を“完コピ”した無償3Dデータとゲームエンジンでできること(2/3 ページ)

» 2024年06月19日 14時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

都市データを無償公開する「PLATEAU」とは

 一方で、もう1つ重要になってくるのが「データ」だ。例えば、街中で使うARアプリを作るとしよう。効果的なアプリを作る際には、その場所の地形や建物などの形状データが必要になるが、それをすべて作っていると大変なコストがかかる。

 ここでPLATEAUとの関係が出てくる。

 PLATEAUとは、国土交通省が進めるデジタルツイン支援プロジェクトだ。国土交通省には元々、多数の地形・建物データが集積されている。それを民間が扱いやすい形でまとめ、さらに、追加で整備した日本中の都市・建物・地形に関するデータを公開するのがPLATEAUの役割である。

 税で整備されたデータなので、利用は商用利用も含めて「無償」。一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が運用する「G空間情報センター」で、オープンデータとして公開されており、自由にダウンロードして利用できる。形式は国際標準データである「CityGML」の形で用意されていて、ゲームエンジンやグラフィックツールなどでは、コンバートしてから利用する。

データそのものはG空間情報センターで公開され、無償でダウンロードして利用可能

 PLATEAUの公式ページには多数の実装例が公開されている。ビジュアライズに使った例も多いが、建物や地形の形状データを使った災害シミュレーションやインフラ管理など、ある種のシミュレーション的な活用も多いのが特徴だ。3D都市モデルをオープンデータとして整備することにより、様々な用途が広がっていくことこそが、PLATEAUの狙いそのものである。その辺は、以下に示したPLATEAUのコンセプトビデオからも見えてくる。

100をこえるユースケースが公式ページで公開されている
PLATEAUの2024年版コンセプトビデオ

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