「チェンソーマン」「ファイアパンチ」などの作品で人気の漫画家・藤本タツキさんの短編作品「ルックバック」が、アニメーション映画となって6月28日に公開されました。2021年に「ジャンプ+」で公開し、初日で閲覧数が250万以上を記録するなど大きな話題になった作品です。
ルックバックは、藤野と京本という二人の少女が漫画を通じて心を通わせていく姿を描く青春物語──であるのですが、後半の衝撃的な展開により、個人的には、好きだけど読み返すのはちょっとしんどい作品でもあります。今回の映画も見るかどうか迷っていました。
でも、見て良かったです。
スクリーンに広がる色彩豊かな映像、穏やかながらも印象的な音楽が、2人の物語を原作以上に鮮やかに彩ります。つまり後半の展開も原作以上に感情を揺さぶられるのですが、なぜかエンディングが流れるころには“希望”を感じ、清々しい気持ちで劇場を後にしました。すごく不思議な感覚でした。
映画は全体的に、原作を忠実になぞりながらも、藤野と京本の心の動きなど、漫画のコマとコマの間をしっかり補完しています。でも余分な追加要素はなくて、上映時間は58分という潔さ。マンガ原作のアニメ化作品という意味で、完成度は非常に高いと思います(詳細はマンガで!)。
約1時間という上映時間は意外と見やすい印象でしたし、鑑賞料金は普通の映画より300円安い1700円です。時間は短くても満足度は相当高いので、原作既読の方も、まだ読んだことがない方もぜひ劇場に足を運んでみてください。
なお、映像や音響のグレードが高いプレミアムシアターで上映している映画館もありますので、個人的には可能ならそちらで見ることをオススメします。料金は少し上がりますが、きっと素晴らしい体験ができると思いますよ。
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