認証なしでリモートコード実行 OpenSSHに“回帰”した脆弱性「regreSSHion」発覚
セキュリティベンダーの米Qualysは7月1日(現地時間)、SSHソフトウェア「OpenSSH」に重大な脆弱性を発見したと発表した。脆弱性は「regreSSHion」(CVE-2024-6387)と名付けられ、ルート権限で認証なしに任意のコードをリモートで実行できてしまうという。同社によると世界中の1400万台以上のサーバーに影響があるとする。
regreSSHionはOpenSSHサーバで出現するもので、シグナルハンドラーの競合状態で発生。デフォルト構成のsshdが影響を受けるという。脆弱性が悪用された場合、攻撃者はシステムを制御下に置くことができ、マルウェアのインストール、データの改ざん、バックドア作成だけでなく、ネットワーク内にある他システムへの攻撃の足がかりに悪用される恐れがあるとする。
また、攻撃者がルートアクセスを取得すると、ファイアウォール、侵入検知システム、ログ記録システムなどを回避できるようになるため、攻撃者の活動がより見えにくくなるという。CVSS 3.1の基本スコアは8.1に指定されている。
CensysとShodanを使った検索によると、インターネットに公開されているOpenSSHのサーバインスタンスのうち、1400万件以上が潜在的に脆弱性を抱えているという。また、Qualys CSAM 3.0の匿名データによると、OpenSSHを使用している外部インターネット接続インスタンスの31%に相当する、約70万のインスタンスが脆弱な状態だとしている。
なお、Qualysによると「悪用は困難」と分析する。同脆弱性はリモート競合状態という性質上、攻撃を成功させるにはメモリの破損と、アドレス空間配置のランダム化(ASLR)を克服するために、複数回の試行(OpenSSH開発チームによると32bit Linux/glibc環境下で6~8時間の連続接続)が必要という。一方、Qualysは深層学習の進歩で悪用率が大幅に増加する可能性もあると指摘する。
対象は、4.4p1以前のバージョンで「CVE-2006-5051」および「CVE-2008-4109」のパッチが適用されていない場合と、8.5p1から9.7p1までのバージョンで発生する。4.4p1から8.5p1以前のバージョンまでは脆弱性が解消されていたが、2020年公開の8.5p1から特定のコンポーネントが誤って削除されてしまったため、脆弱性が回帰(regression)してしまったという。
Qualysでは、1日(現地時間)にOpenSSHが公開した最新バージョン(9.8/9.8p1)へのアップデートを強く推奨している。なお、OpenBSDには該当の脆弱性はないとのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
トランプ政権のサックス氏、AI「ペース調整」論に苦言 「規制がなければできないふりをやめろ」
-
2
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
映画「バックルームズ」が怖くなかったマンガ家、基になったネット都市伝説にハマって本作の楽しみ方を理解する
-
6
AnthropicのアモデイCEO、AI開発の「ペース調整」訴えるエッセイ公開 アルトマン氏とマスク氏も賛同
-
7
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
8
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
9
「壁紙DIY」とイマドキの超短焦点4Kプロジェクターを寝室で試したら検証が止められなくなった
-
10
「死亡事故がゼロの世の中を」──苦節7年、危険な作業をAIで省力化 全国で稼働する「交通誘導AI」の現在地
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR