Web会議やチャット、プロジェクト管理、セキュリティツール、チャットbotなどSaaSの利用は日々拡大している。こうした状況でSaaS管理に頭を悩ませる情シスは少なくない。
ネットショップ開設やPOSレジサービスなどを提供するSTORES(東京・恵比寿)もかつては同じ悩みに直面していた。同社では200近くのSaaSが使われているが、管理が上手くいかなかった頃はライセンス費用や運用コスト、セキュリティリスクが増加していたという。
「アカウントの棚卸しが大変なこともあり、同じSaaSを複数の組織で使っていたり、活用できていないのに上位プランのアカウントが存在したりと無駄なコストがかかっている状態でした。退職者のアカウントの削除漏れや、管理者権限を持つユーザーの乱立、年間契約のSaaSを解約し忘れてもう1年余計にライセンス費用を払ったこともありました」とSTORESの中野達也氏(PX部門 IT本部 本部長)は振り返る。
本記事では、そんな時代を経て中野氏が見つけた「理想のSaaS管理」の姿と実現への具体的なステップを、同氏が登壇したアイティメディア主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(2024年7月9〜28日)から一部抜粋してお届けする。
課題を解決するために中野氏が着手したのが、大量のSaaSアカウントを適切に管理できるようにすることだ。
中野氏はアカウント管理のあるべき姿について、アカウント発行/削除の自動化、棚卸しやアカウント削除漏れの検知、情シス以外もSaaS管理をしやすい状態にすることの3つを挙げる。
「理想としては、まず新しい人が入社したタイミングでSaaS管理ツールのアカウントを発行します。次にSaaS管理ツール側からAPIで、IDやパスワードを一元管理できるIDaaSのアカウントを発行します。そして連携するSaaSアカウントを、IDaaSが備える複数ドメイン間でのIDのやり取りを自動化するSCIM機能で発行します。さらに理想を言えばSaaS管理ツールのアカウント発行は予約機能があると望ましい。入社日になったら自動でアカウントを発行し、退職日になったら自動でアカウント削除の処理が走ってほしいです」
しかし中野氏によると、こうした理想を思い描いても“現実”ではうまくいかない点があるという。その現実と対応策、さらに棚卸しやアカウント削除漏れの検知と、情シス以外もSaaS管理をしやすい状態を作る具体的なアプローチについては、デジタル戦略EXPOの講演でチェックしてほしい。
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【修正履歴:2024年7月26日18時35分更新 タイトルの数字表現を修正しました】
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