拍動する「iPS心臓」、展示へ試作品を公開 万博でパソナパビリオンの目玉に

[産経新聞]

　2025年大阪・関西万博にパビリオン「PASONA　NATUREVERSE」（ネイチャーバース）を出展するパソナグループは9月30日、人工多能性幹細胞（iPS細胞）からつくった「iPS心臓」の展示に向けた試作品を報道陣に公開した。

iPS心臓の試作品を手にする大阪大の澤芳樹特任教授＝30日午後、大阪府吹田市（井上浩平撮影）

　展示の目玉となるiPS心臓は、大阪大の澤芳樹特任教授らのグループが開発。あくまで展示用で、心臓の構造や機能は再現しておらず治療に使わないが、特殊な技術で実際の心臓のように拍動する様子をみせる。

　パビリオンでは、iPS細胞からつくった医療用の「心筋細胞シート」も展示する。

　大阪大の研究室でこの日公開されたiPS心臓は直径1.5〜2cmで、万博ではそれよりも大きなサイズの展示を目指す。澤氏は「iPSの技術が万博で世界に広がり、難病で苦しむ人が助かるメッセージになれば」と期待を語った。

　パソナグループは、万博会場にアンモナイトのような、らせん状のパビリオンを出展。漫画家の手塚治虫氏のキャラクター「鉄腕アトム」と「ブラック・ジャック」が案内役を務める。（井上浩平）