ITmedia NEWS > AI+ >

赤ちゃん置き去りも技術で防ぐ、日産の子守支援ロボ「イルヨ」を見てきた(1/2 ページ)

» 2024年10月26日 08時14分 公開

 先週、幕張メッセで開催された「Japan Mobility Show Bizweek 2024」──その日産自動車ブースでひときわ目を引いたのが、赤い大きなぬいぐるみと小さなぬいぐるみでした。2つのぬいぐるみの正体は、子守支援ロボットの「イルヨ」です。

「イルヨ」。赤以外にもバニラとピンクのカラーバリエーションがあります

 イルヨは、日産とアカチャンホンポの共同プロジェクトで、ハードウェア開発はユカイ工学が担当しています。大きいイルヨを後部座席のチャイルドシートにいる赤ちゃんの近くに置くと、親の声(いくつかのウェイクワード)に反応して赤ちゃんをあやしてくれます。

 例えば「いないいないばぁ」というとイルヨは両手を動かして顔を隠し、「こっちだよー」というと両手と顔を動かすといった具合です。そして親の言葉を検知してくれるのが、運転席の近くに置く「ベビーイルヨ」。それだけではなく、赤ちゃんが寝ているのか起きているのかをまぶたの開閉で親に知らせてくれます。

 もちろんベビーイルヨから赤ちゃんの様子は見えません。側にいるイルヨが、内蔵カメラで赤ちゃんの様子を検知してベビーイルヨに伝えます。イルヨとベビーイルヨは互いにコミュニケーションしているわけです。

「こっちだよー」というと両手と顔を動かすイルヨ(公式動画より)
イルヨとベビーイルヨはコミュニケーションしています(公式動画より)

 まだチャイルドシートに乗せるしかない赤ちゃんを連れて車で移動する場合、運転している親は赤ちゃんをあやすことができません。そして、せっかく寝ている赤ちゃんを起こしてしまうというのは最も避けたいところ。そこに特化してサポートするロボットというのは、子育ての実態をよく分かっている素晴らしいプロジェクトだと思います。

 赤ちゃんが見えなくても、その様子が分かる仕組みだから「イルヨ」。開発時に実際の親子にイルヨを試してもらったところ、赤ちゃんの9割がイルヨを注視したそうです。しかもイルヨが動くことで、半数以上の赤ちゃんの感情がポジティブになったそうで、これなら親は安心して運転できるというわけです。

 そして、そのイルヨに「マダイルヨ」という新機能が追加されました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR