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総務省がオンラインカジノ対策で論点整理、強制遮断以外を優先 「通信の秘密」で慎重に

» 2025年06月20日 17時38分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 総務省は6月20日、オンラインカジノの規制を検討する有識者会議を開き、違法サイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」(接続遮断)の実施に向けた論点整理を行った。憲法で定める「通信の秘密」を保障するため、利用者の同意に基づき接続を制限する「フィルタリング」や、SNS業者によるオンラインカジノに誘導する広告の削除といった強制遮断以外の対策を優先する。

photo オンラインカジノの違法性を呼びかけるチラシ=東京都杉並区(梶原龍撮影)

 強制遮断の実施については、(1)強制遮断以外の対策が尽くされているかどうか、(2)強制遮断によって得られる利益と失われる利益のバランスが取れているか、(3)強制遮断を行う根拠はあるか、(4)制度的措置として、適当な枠組みかどうか──の4段階に沿って、丁寧な検証が必要とした。

 オンラインカジノは、違法ではない無料のオンラインゲームサイトを経由して、実際にお金を賭ける違法サイトに誘導する手口などが一般的。海外のサイトであっても、国内からアクセスして利用すれば賭博罪や常習賭博罪にあたる。

 違法ではないという誤解が広がっており、お笑い芸人やプロ野球選手の利用が発覚し、書類送検される事件も起きている。このほか、著名なサッカー選手が広告塔に利用されるなど、若年層への影響が深刻化している。オンラインカジノの規制強化に向けた改正ギャンブル依存症対策基本法が可決、成立しており、政府は規制を強化している。(高木克聡)

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