「ピアノなんて弾いたことがない」。そんな人でも、アプリの指示に従えばショパンをはじめとする名曲の数々を弾きこなせるイベントがこのほど、2025年大阪・関西万博会場(大阪市此花区)の「大阪ヘルスケアパビリオン」前の水上ステージで開かれた。
イベント名は「だれでもストリートピアノ」。約30人の来場客が飛び入りで参加し楽しんだ。
主役は無料アプリ「PianiCian」(ピアニシャン)。スマホの画面の上部から流れてくるブロックが、下部に横へ並んだ鍵盤のイラストに重なるタイミングで、実際のピアノの鍵盤を押していくだけで曲が弾ける。“音ゲー”感覚で、クラシックからジャズ、ポップスまで、さまざまなジャンルを演奏できる。
ピアノに触れるのはほとんど初めてという大阪市の男性(30)はショパンの「別れの曲」にチャレンジ。最初はたどたどしかったが次第になめらかになり、演奏をやりとげた。男性は「初めて万博に来たが、こんなに大勢の人に応援してもらったことは忘れない」と笑顔をみせた。
アプリを開発し、イベントを企画したIT技術者の朴隆二さん(51)は「楽器演奏は認知機能の向上に役立つともいわれている。とくに高齢者が自宅で気軽に継続できる楽器になれば」と話す。
さらに、「1970年大阪万博では携帯電話の先駆けとなる製品が展示され、約50年後の今、実用化している。今から50年後にも(ピアニシャンの技術などを使い)みなピアノを弾けるようになってほしい」と語った。(山口暢彦)
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