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能動的サイバー防御本格化へ64億円 トクリュウ摘発に生成AI 警察庁令和8年度概算要求

» 2025年08月29日 13時39分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 警察庁は8月28日、令和8年(2026年)度予算の概算要求を明らかにした。一般会計は3476億円で、サイバー空間の脅威が深刻化する中、「能動的サイバー防御」の本格運用に向け、対処能力向上などに64億円を計上。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の取り締まり強化など、組織犯罪対策の推進には40億円を充当する。トクリュウの首謀者摘発に向け、生成AIを用いた情報分析体制も新たに構築する。

photo 警視庁外観=東京都千代田区

 サイバー攻撃をしかけようとする相手に、先手を打って無害化を図る能動的サイバー防御は、5月に関連法が成立、7月に一部施行された。概算要求では、無害化を実践するための情報収集や施設整備に16億円、海外の捜査機関と連携して捜査に当たる同庁の「サイバー特別捜査部」の強化に3億円などとした。

 トクリュウを巡っては、警察庁は10月、中枢につながる情報を全国から集約・精査し、首謀者などを割り出す情報分析室を設置する予定だ。同庁で研究開発を進めてきた生成AIを活用し、実行役の摘発などで得た情報から、相関図などを生成する情報分析システムの構築費2億円も盛り込んだ。

 国境を越えた組織的詐欺などの犯罪に対処するため、諸外国との連携強化も進める。東南アジア諸国の特殊詐欺拠点が現地当局によって相次いで摘発されていることなどから、海外の捜査幹部を日本に招いて国際会議を開き、犯罪対策や拠点に関する情報を共有する。SNS事業者から、捜査に必要な情報を法的な手続きを経て取得する海外の先進事例の調査にも乗り出す。

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