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「生ゴミ処理機」って実際どう?(前編) 仕組みとトレンド、そして助成金(1/2 ページ)

» 2025年10月28日 13時30分 公開

 家庭の生ゴミ処理、どうしていますか? 燃えるゴミの日まで三角コーナーやゴミ袋に入れて保管するのが普通だと思いますが、最近は多くの自治体が補助金を出していることもあり、「生ゴミ処理機」という選択肢が注目を集めています。

 そこで今回は、生ゴミ処理機の基本的な仕組みから、知っておきたい補助金制度、そして実際に検討する価値のある代表的な製品までまとめて紹介します。特に補助金については、「補助が出るなら考えてみようかな」と思う人もいると思います。私も今回調べてびっくりしました。

生ゴミを乾燥させて約5分の1まで減量(出典:シマのwebサイト)

生ゴミ処理機の方式

 最近の生ゴミ処理機には大きく分けて3つの処理方式があります。それぞれの特徴を把握することで、自分のライフスタイルに合った製品選びができます。

  • 乾燥式(手軽さを重視するなら)

 乾燥式は、熱風で生ゴミの水分を蒸発させ、カラカラに乾燥させる方式です。数時間の処理で、生ゴミの量を約5分の1まで減量。ゴミ捨てが楽になりますし、ニオイの発生も抑えられます。最近はポリ袋に入れたまま生ゴミを処理できる製品も登場しています(後述)。

ポリ袋に入れたまま生ゴミを処理できるダイニチ工業の「GD-28A」

 デメリットとしては、当たり前ですが電気代がかかるということです。電気代はゴミの量や含まれる水分量、処理モードなどによって変わりますが、1回あたり15円程度から、高くても40〜50円程度と考えていいと思います。つまり、乾燥式は「とにかく手軽にしたい」、という人におすすめできます。

  • バイオ式(環境にやさしく、肥料として活用)

 バイオ式は、微生物の力で生ゴミを分解する方式です。メリットとしては、処理後に良質な肥料として再利用できるということ。また電気代は基本的にかかりません。

 デメリットとしては、どうしても処理に時間が掛かることと、微生物用の専用処理剤が必要になることなど。生ゴミが堆肥に変わるわけですから、家庭菜園やガーデニングを楽しんでいる人に断然におすすめできます。ただし、生ゴミ処理機として売られているバイオ式は、後で触れるハイブリッド式になっている場合が多いようです。

 一方、同じく微生物を使って生ゴミを堆肥化する「コンポスト容器」と呼ばれる製品も存在します。こちらは比較的安価ですが、基本的には園芸用で屋外設置を想定したものなので、キッチンで使うのはオススメしません。ただし、こちらも補助金の対象になっている自治体もありますので、興味があれば調べて見るのも良いと思います。

  • ハイブリッド式(いいところ取りだけどお高め)

 ハイブリッド式は、乾燥式とバイオ式の特長を組み合わせた方式。まず熱である程度、乾燥させた後、微生物で分解を進めます。

 メリットは、処理音を最小限に抑制でき、消費電力も乾燥式と比べると抑えられること。特に集合住宅など音が気になる環境では大きなアドバンテージになりそうです。処理後の肥料利用も可能です。

 デメリットとしては、高機能な製品が多く販売価格が高めであること。それでもハイブリッド式は静音性や省エネ性、処理能力のバランスが取れているので、今後主流になるかもしれません。

助成金を活用しよう

 生ゴミ処理機の購入を検討しているなら、まず住んでいる自治体の助成金制度をチェックしましょう。全国的に助成金制度があり、市区町村レベルで詳細が決定されています。メーカーが自社のWebサイトで全国の補助金制度を検索できるようにしている場合もあります。

 自治体の補助金は、上限額を設定した上で税抜本体価格の2分の1から3分の2程度までを補助するパターンが多いようです。東京都の場合、62の区市町村のうち、2025年度は31自治体で助成制度を実施中。23区の多くと、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、町田市などが挙げられます。

東京都渋谷区の例(出典:渋谷区のWebサイト)

 ただし、予算終了により受付停止をしているといったケースもあるので、事前に必ずお住まいの自治体のページを確認してください。また、多くの自治体で購入日から1年以内の申請が必要となりますので、その点もご注意ください。

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