【ワシントン=大内清】トランプ米政権がイランでの反政府運動を支援するため、米宇宙企業SpaceXの衛星通信サービス「Starlink」の端末約6000台をひそかにイラン国内へ運び込んだことが分かった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が2月12日報じた。
イラン当局が1月、全国的な反政府デモへの対策として国内のインターネット接続を一時遮断したことを受けた対抗措置。デモ弾圧を正当化するために「外国勢力の介入」を喧伝するイラン指導部のプロパガンダ(政治宣伝)に説得力を与える可能性もある。
イランでは昨年末以降、物価高への不満を背景とする反政府デモが拡大し、治安部隊の武力弾圧で少なくとも数千人が死亡したとみられている。トランプ氏は今年1月中旬のSNS投稿でイラン国民に「抗議を続けろ」「助けが向かっている」と呼びかけ、軍事力行使の可能性も示唆したが、結局は軍事面での介入姿勢を後退させた。デモは現在、おおむね沈静化しているもようだ。
そんな中でトランプ政権には、衛星を利用してインターネットに接続できるStarlink端末をイランに運び込んでおくことで、再びネットが遮断される事態となってもデモ参加者や反政府活動家らが発信手段を維持できるようにする狙いがあるとみられる。WSJによると、トランプ氏もこの工作の存在を認識しているという。
米国には、イランでの「インターネット接続の自由」を支援するため、同国当局の監視を回避する仮想専用線(VPN)を提供する事業があり、Starlink端末はその予算の一部から購入した。イランでは同端末の所有は違法。WSJは米当局者の話として、大量の端末を運び込むことは、イラン側の受け取り手を危険にさらしたり、端末が当局側の手に渡ったりするリスクもあると指摘した。
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