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米国防総省、Anthropicを「サプライチェーンリスク」に正式指定 法廷で争うとアモデイCEO

» 2026年03月07日 07時46分 公開
[ITmedia]

 米Anthropicのダリオ・アモデイCEOは3月5日(現地時間)、米国防総省(Department of War、DoW)から正式に「サプライチェーンリスク」と認定された書簡を受け取ったと公式ブログで発表した。アモデイ氏はこの認定が法的に不当だとして法廷で争う姿勢を改めて示す一方、法律上その適用範囲は狭く、影響を受けるのはDoWの契約業務に直接関わるAIの利用のみであり、一般顧客や他の商取引には影響しないと説明している。

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 事の発端は、DoWがAI企業に対して安全対策(セーフガード)を撤廃し、軍によるAIの「あらゆる合法的な利用」に同意するよう求めたことにある。Anthropicは軍への協力姿勢を示しつつも、米国民の「大規模な国内監視」と、人間の判断を完全に排除した「完全自律型兵器」へのAI利用の2点については、重大な危険をもたらすとして例外とするよう要求していた。双方の交渉が膠着状態に陥った結果、ピート・ヘグゼス国防長官が同社を実質的な取引排除を意味するサプライチェーンリスクに指定すると警告していた。

 この対立の最中、Anthropicと競合する米OpenAIはDoWの機密ネットワークに同社のAIモデルを導入する契約を結んだと発表したが、これに対してアモデイCEOが社内メモでOpenAIを痛烈に非難していたことがメディアへの流出により発覚した。アモデイ氏はこのメモの中で、OpenAIの発表を「虚偽」と呼び、同社が主張するソフトウェア制御などの安全対策は軍事的な文脈では8割が見せかけに過ぎないと指摘した。なお、アモデイ氏は3月5日のブログで、このメモが大統領の投稿や長官の指定発表などが重なった困難な日に書かれたものであり、現在の慎重な見解を反映していないとして厳しい表現だったことを謝罪している。

 アモデイ氏は、過去数日間にわたりDoWと生産的な対話を続けているとも語った。米国の国家安全保障を推進するという共通の目的のもと、同社が懸念する2つの例外条件を順守した上で技術提供を継続する方法や、合意に至らない場合でも他社へスムーズに移行する道を探っているという。また同社は、前線の兵士から重要なツールを急に奪うべきではないとして、移行期間中もわずかなコストでモデルの提供とエンジニアによるサポートを継続すると約束しており、実務レベルでは政府から法的に完全にアクセスを遮断されたり、サービス提供を禁じられたりするまでは、軍への協力姿勢を堅持する構えだ。

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