米OpenAIのサム・アルトマンCEOは2月27日(現地時間)、米国防総省(Department of War、以下「DoW」)の機密ネットワークに同社のAIモデルを導入する契約で合意したと、自身のXアカウントで発表した。ドナルド・トランプ米大統領がOpenAI競合の米Anthropic製品のDoWでの使用停止を発表したわずか数時間後だった。翌28日には同社公式ブログでも詳細な合意内容と見解を公開した。
AIの軍事利用を巡っては、DoWがAI企業に対して「あらゆる合法的な利用」を求めて安全対策の撤廃を要求している。Anthropicは、「大規模な国内監視」と「完全自律型兵器」へのAI利用は危険であるとして要求を拒否していた。これに対しDoWは、軍のシステムからのAnthropicの排除や、敵対国向けの「サプライチェーンリスク」への指定、国防生産法を発動して強制的にセーフガードを撤廃させるなどの強硬な政府的措置をちらつかせて圧力をかけていた。
Anthropicが妥協を拒んだ「国内監視」と「自律型兵器」の2つのポイントについて、OpenAIは「多層的なアプローチ」を用いることで自社のレッドライン(越えてはならない一線)を維持し、政府との対立を回避したという。
具体的には、モデルの展開をクラウド環境のみに限定することで、完全自律型兵器の稼働につながるエッジデバイスでの利用を物理的に防ぐ。また、自社の安全対策の制御を完全に保持した上で、機密取扱資格を持つOpenAIのエンジニアを継続的に関与させる体制をとる。契約文面でも、米国民の監視を禁じる現行法や、兵器への人間の関与を義務付ける国防総省指令を明記しており、仮に将来政府が法律や方針を変更したとしても、現在の安全基準が引き続き適用されるという保護条項を設けたとしている。
さらに、OpenAIはこの合意に際し、DoWに対して今回結んだのと同じ条件を「すべてのAI企業に提示するよう求めている」という。公式ブログによると、DoWからAnthropicとの対立を解決するよう求められ、Anthropicを「サプライチェーンリスク」に指定すべきではないとの立場を政府に伝えたことも明らかにしている。アルトマン氏は、他社も受け入れられるはずのこの条件によって、現在の法的、政府的な強硬措置からエスカレーションを下げ、合理的な合意へと向かうことを強く望んでいると表明した。
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