2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
東京大学社会科学研究所は、働く人たちの労働時間に関する最新の調査結果(2026年)を発表した。
調査によると、今の労働時間を「もっと長くしたい」と考えている人は、男性で3%、女性で6%とごくわずかにとどまっている。半数以上は「今のままでよい」と答え、逆に「短くしたい」と望む人が男性で約4割、女性で約3割にのぼった。
では、この少数の「長く働きたい」人たちはどのような層なのだろうか。すでにフルタイムで働いている正規雇用(正社員など)で時間を増やしたい人はわずか1〜2%にすぎない。
一方で、パートや派遣などの非正規雇用の人たちでは、男女ともに12〜13%と比較的高い割合を示している。また、個人の年収が低い人ほど長く働きたいと答える傾向があり、生活のためにもっと働いて収入を増やしたいという事情が背景にあることがうかがえる。なお自営等は男性4%、女性5%であった。
さらに、2年前(2024年)の調査で「長く働きたい」と答えていた人が、その後実際に時間を増やせたのかを追跡した。実際に労働時間が増えた人は男性で25.8%、女性で63%と、女性のほうが時間を増やせた割合が大きかった。
増えた時間の幅でみても差は大きく、男性の月平均5.1時間の増加に対し、女性は月に平均19.4時間も増加していた。この理由として、非正規雇用から正規雇用へと働き方を変えた女性が多かったことが分かっている。もっと働きたいと望んでいた非正規雇用の女性のうち、27.7%が正規雇用への転換を果たしていた。
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