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「光速船」40年の時を越えて復活 一人のファンの夢から始まった“愛と情熱の物語“とは?(1/3 ページ)

» 2026年03月08日 09時14分 公開

 1980年代、家庭用ゲーム機としては他に類を見ない「ベクトルスキャンディスプレイ」を搭載し、一部のゲームファンに強烈なインパクトを与えた伝説のハード「Vectrex」。日本ではバンダイから「光速船(こうそくせん)」として発売されたこのマシンが、40年の時を経て「Vectrex Mini」として蘇ります。

オリジナルの「光速船」と「Vectrex Mini」

 現在、クラウドファンディングサイト「kibidango」にて、日本上陸に向けたプロジェクトが進行中です。2月に開催された発表会を踏まえて、単なる復刻にとどまらない、開発者の熱い思いと現代技術が融合したプロジェクトをご紹介します。

 その熱さを証明するかのように、2月25日にkibidangoでスタートしたクラウドファンディングは、公開初日にして目標金額の100万円を達成。3月7日時点で支援総額は2000万円を超えています。

kibidangoのプロジェクトページ。すでに支援総額は2000万円を超えている

「これはビジネスではない、愛だ」

 光速船は、ラスタースキャン方式が主流だった当時、アーケードゲームで採用されていたベクトルスキャン方式を家庭用で実現した唯一無二の存在でした。漆黒の画面に光の線が走り、独特の浮遊感とシャープな描画でプレイヤーを魅了しました。

 この復活劇を仕掛けたのは、フランスのデイビッド・オギア氏。彼自身、若い頃の時にVectrexと出会い、その魅力に取り憑かれた一人です。発表会で彼は「これはビジネスではない、愛と情熱のプロジェクトだ」と語りました。

 プロジェクトは決して平坦な道ではありませんでした。権利元との交渉、資金ゼロからのスタート。頼りになったのは、世界中にいるVectrexファンコミュニティーの熱い応援だけでした。

 しかしゲームイベント「gamescom latam 2025」でプロトタイプを展示したところ、予想をはるかに超える熱狂的な反応が寄せられます。これが大きな追い風となり、プロジェクトは一気に加速。世界中の展示会を巡り、ファンとの交流を深めながら、製品の完成度を高めていきました。

開発者のデイビッド・オギア氏。彼の情熱がこのプロジェクトを支えている

 Vectrex Miniは、単なるミニチュア復刻版ではありません。オリジナルの体験を尊重しつつ、現代の技術でその魅力をさらに引き出す工夫が随所に凝らされています。

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