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「すごく、微妙」――Socket AM3対応Phenom II登場も最上位モデルは不在古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

初のSocket AM3用CPU「Phenom II X3」が登場した。しかし、クアッドコアで最上位のX4 900シリーズの入荷は未定。多くのショップは期待の裏返しでやきもきしているようだ。

初のSocket AM3用CPUはトリプルコア――「Phenom II X3」がデビュー

TSUKUMO eX.のPhenom II価格表

 2月20日、以前から登場をウワサされていたSocket AM3対応のCPU「Phenom II X3 720 Black Edition」が複数のショップに入荷した。価格は1万4000円から1万6000円で、在庫は少数。Phenom II X3 720 Black Editionは動作クロック2.8GHzのトリプルコアCPUで、L3キャッシュを6Mバイト搭載する。なお、翌日には下位モデルの「Phenom II X3 710」も登場した。こちらの価格は1万3000円前後で、動作クロックは2.6GHz。L3キャッシュは6Mバイトだが、720 Black Editionのような動作倍率変更はできない。

 AM3対応CPUは下位互換性があるため、今回のPhenom II X3 720 Black Editionと710をSocket AM2+マザーボードに搭載することも可能だ。ただし、従来のSocket AM2+からAM3に変わることで、Phenom IIがサポートするDDR3メモリが使えるようになるメリットがある。すでにギガバイトからSocket AM3対応のマザーボード「GA-MA790FXT-UD5P/UD4P」が出回っており、これでAM3の性能をフルに発揮できる環境が整ったといえる。

 Phenom II X3 720 Black Editionの売れ行きについては、多くのショップが初日の不調を認めていた。某ショップは「“なんだよ、トリプルコアかよ”とスルーする人が多いですね。販売開始から3時間で、売れたのは1個……」と語っていた。週末にかけて徐々に人気が出て、週明けまでに売り切れるショップも出てきたが、TSUKUMO eX.は「とりあえず新しいモノ好きの人はいますからね。いろいろ遊べるBlack Editionが出たのが救いですよ。ただ、本当はクアッドコアの最上位が出て欲しかった。やっぱり、フラッグシップが先頭を走らないと」と本音をもらしていた。

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 クアッドコアでAM3に対応するPhenom IIは、「Phenom II X4 810」が2月末から3月初旬にかけて登場予定とするショップがいくつかあった。Phenom II X4 810は4MバイトのL3キャッシュを搭載する2.6GHz動作のCPUで、価格は2万円前後になる可能性が高い。ソフマップ秋葉原本館の店員さんは「クアッドコアといってもL3キャッシュが少ないタイプだから、すごく微妙ですよね。でも、L3キャッシュ6MバイトのPhenom II X4 900シリーズはまだ入荷時期が未定です。それが欲しい人が多いのにもどかしい。あー、もー!」と感情を爆発させていた。

 これらの不満の裏には、AM3版Phenom IIへの期待が隠れているようだ。クレバリー1号店は「AM2+版Phenom IIはCore i7と同じくらいの数量が売れています。AM3版でさらにブレイクすれば、Core 2 Quadにも対抗できるような人気が出るかもしれません。そのポテンシャルをX4 900シリーズ登場まで保てるかがカギとなるでしょう」と話している。

AMD「Phenom II X3 720 Black Edition」
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