C7からAtomに変わった「HP Mini 2140」は何倍速くなった!?:まずは直販からスタート(2/2 ページ)
日本HPの低価格ミニPC/Netbookシリーズに加わった「HP Mini 2140」。新たにAtom搭載機に生まれ変わった新モデルの実力をチェックした。
パネルサイズは大型化するも画面解像度はダウン
パフォーマンスが改善されていいことずくめの新モデルだが、液晶ディスプレイも8.9型ワイドから10.1型ワイドに大型化して視認性が増した。ボディサイズは261(幅)×166(奥行き)×27.2~35.5(高さ)ミリと横幅が6ミリ増加しただけで、そのほかの数値は従来モデルを維持している。また、LEDバックライトの導入などによって、重量は約1.27キロから約1.19キロに軽量化したのもトピックだ。
ただ、画面解像度はこれまでの1280×768ドットからアスペクト比16:9の1024×576ドットにダウンした。細かいところでは、無線LANがIEEE802.11g/bでBluetoothも省かれるなど、2133のスタンダードモデルを踏襲する形になっている。
もっとも、米国では高解像度の「10.1-inch diagonal Illumi-Lite LED HD」が発表済みなため(現状のサイズは10.1-inch diagonal HP Illumi-Lite LED SD)、今後国内でも解像度の高いモデルやBTOメニューが追加される可能性はある。
質感に優れたボディや扱いやすい入力環境は健在
これまでは変更点を見てきたが、2133からの継承された部分も多い。特にNetbookとしては珍しい金属感あふれる外観は特筆できるもので、傷が付きにくいアルマイト(陽極酸化)加工とヘアライン処理を施したアルミニウムと、マグネシウム合金を採用したボディは存在感がある。キーピッチが約17.5ミリ、キーストロークが約2ミリとNetbookとしてはゆとりがあるキーボードも魅力だ。キーボードには米デュポンのマイラーが張られており、液体からキーボードを守るほか、キートップの刻印がはげにくい「HP DuraKeys」を採用している。
タッチパッドは64×32ミリというワイドタイプで、クリックボタンが左右にあるため多少の慣れは必要となるが、タッチパッドをオン/オフするボタンを備えるなど気が利いている。タッチパッドの右側に上下のスクロールゾーンがあり、シナプティクス製の多機能ドライバ(マルチタッチには非対応)を利用することで細かい機能を割り当てられるのも従来通りだ。
そのほか、HDDを落下や振動から守る「3Dドライブガード」やHDDに直接パスワードをかけられる「ドライブロック」といった、従来機の特徴も受け継いでいる。インタフェース面も変更はなく、左側面にある排気口のデザインが変わった程度だ。前面は左側に電源スイッチとHDDのアクセスランプ、右側に無線LANの電源スイッチがあり、背面はバッテリーのみとなる。USB 2.0ポートが左右側面に1基ずつあるほか、右側面にExpressCard/54(/34対応)とSDメモリーカードスロット(SDHC対応)、ギガビット対応の有線LAN端子が並ぶ。標準で外部ディスプレイ端子(アナログRGB出力)があるのは、姉妹機の「HP Mini 1000」シリーズと異なる部分だ。
以上、駆け足でHP 2140を見てきたが、従来機のよさを引き継ぎながら弱点を着実に解消しているのは好感が持てる。唯一残念なのは液晶ディスプレイの解像度が下がったことだが、これは今後登場するであろうバリエーションモデル(あるいはBTOメニューの追加)で改善されると思われる。直販価格は6万4890円となっており、Netbookとしてはやや高めだが、ボディの質感は唯一無二であり、いわゆるNetbookのようなチープ感はみじんもない。欲をいえば、指紋センサーの追加など、ライバルのデルのようにNetbookでもBTOでの仕様変更に対応してほしいところだ。
関連キーワード
HP 2133 Mini-Note PC | UMPC | 金属ボディ | バッテリー | ノートPC | Atom | Netbook | VIA Nano | VIA Technologies | ハードディスク | CPU | キーボード | Windows | Windows Vista | Bluetooth | Dell | Dell Inspiron Mini | タッチパッド | BTO | Eee PC | ExpressCard | LED | 無線LAN | ベンチマーク | SDHC | Synaptics | Webカメラ | Windows XP | ASUS | 指紋認証 | LEDバックライト | モバイルPC | マルチタッチ | VAIO type P
関連記事
HPのアルミボディ採用ミニノートPCにAtom搭載モデル「Mini 2140」が追加
HPのビジネス向けミニノートPCシリーズに、Atom搭載モデルが加わった。発売は3月上旬の予定で、直販価格は6万4890円だ。HP、ビジネス向けのミニノートPC発表
HPの新ミニノートPC「HP Mini 2140」は499ドルで、10.1インチのディスプレイを搭載する。日本HP、「HP 2133 Mini-Note PC」を最大25%値下げ――4万円台から
日本ヒューレット・パッカードは、同社製ミニノートPC「HP 2133 Mini-Note PC」の値下げを発表した。HP 2133 Mini-Note PCの気になる中身をチェックした
製品発表から1カ月以上が経過し、ようやくユーザーの元に届き始めた「HP 2133 Mini-Note PC」。何はともあれ分解してみよう。Windows XP環境で「HP 2133 Mini-Note PC」を試す
6月上旬の発売を前に注目が集まる「HP 2133」。標準装備のWindows Vista BusinessからXPにダウングレードしたところ……。期待の新星「HP 2133 Mini-Note PC」の実力を試す――Windows Vista編
動画や写真を交えて取り上げた「HP 2133 Mini-Note PC」だが、その実力はいかほどのものか。標準のWindows Vistaで試した。モバイルPCに20万円を払う時代は過ぎ去った――「HP 2133」発表会
海外では499ドルという低価格で教育市場向けモデルも用意される「HP 2133」だが、日本ではどのような展開を図るのか? その詳細が明らかにされた。HP 2133 Mini-Note PCで北京のオリンピックは楽しめるか
直販サイトで販売が開始された(そして売り切れた)ミニノートPC「HP 2133 Mini-Note PC」。地上デジタル放送やワンセグは楽しめるのだろうか。HP 2133 Mini-Note PCの気になる中身をチェックした
製品発表から1カ月以上が経過し、ようやくユーザーの元に届き始めた「HP 2133 Mini-Note PC」。何はともあれ分解してみよう。小さくて堅くて安い「HP 2133 Mini-Note PC」を動画で見る
ミニPCがいくら価格が安いからといって、気軽に買うには抵抗感があるアナタ。動画で物欲を刺激します。安くても“プチセレブ”なミニPC――「HP 2133 Mini-Note PC」
Eee PCが口火を切った低価格ミニノートPC市場。ここに世界シェアNo.1のHPが殴り込みをかける。まずは安ノートPCらしからぬ、力の入った外観に注目だ。12月10日に発売決定:HP謹製Netbook「HP Mini 1000」でベンチマークテストを走らせた
12月10日の発売が目前に迫った日本HPの低価格ミニノートPC第2弾「HP Mini 1000」。その性能を発表会の動画とともにお届けする。むきました:デルが放つ低価格スリムノート「Inspiron Mini 12」の中身を拝見した
ファンレスで低価格な大画面スリムPCとして唯一無二の存在である「Inspiron Mini 12」を分解した。その中身は驚くべきものだった。夢色は何色!?:性能も色も堅さも“リアル”な「HP EliteBook 8730w Mobile Workstation」
日本HPが放つモバイルワークステーション「HP EliteBook」シリーズの最上位モデルは、ノートPCながらAdobe RGBの色域をサポートしたモンスターマシンだ。「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」はNetbookを新たな次元に引き上げるか?
Eee PCを皮切りに、VAIO type Pまでさまざまな発展を続けるミニノートPC。その1つの進化形が、深紅のボディを身にまとったHPの「Vivienne Tam Edition」だ。元麻布春男のWatchTower:Windows XPを搭載したデルの低価格スリムノート「Inspiron Mini 12」を試す
Windows VistaやUbuntuに加え、XPも選べるデルのお手ごろスリムノート「Inspiron Mini 12」だが、最も汎用性の高いXP搭載モデルを試してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.