10万円を切る価格で“Pro”の特徴を持つ新型「MacBook」:MacBook担当者インタビュー(2/2 ページ)
アップルが2009年のクリスマス商戦に向けて製品ラインアップを一新した。新製品の背後にある設計思想やデザインの秘密は何か。米Appleのノートブック製品担当者であるセリーナ・チェン氏に聞いた。
一体型バッテリーと底面パネル
チェン MacBookの次の特徴は7時間駆動の一体型バッテリーです。これは前MacBookと比べて2時間長いバッテリー動作時間であり、究極のモビリティーの証でもあります。オフィス、学校、あるいは日本中のどこへ連れ回しても、まだバッテリーが残っているのです。
それに加えて、新バッテリーは寿命そのものも長くなりました。充電回数は1000回までで、我々はこれが一般ユーザーにとって約5年ほどの利用を可能にすると考えています。
以上がMacBookの主な特徴です。製品構成は1種類で、高速な2.26GHzのIntel Core 2 Duo、NVIDIAのGeForce 9400M、2Gバイトのメモリ、そして書類や写真、動画などあらゆる情報を入れて持ち歩ける250Gバイトの大容量HDDやスロットイン式のSuperDriveを標準搭載し、書類作りからWebブラウズ、iLifeといったあらゆる用途に活用できるようになっています。
それでいて価格は9万8800円。実際、同製品はノート型Macとして初めて10万円を切る価格を実現しています。
――ところで、新しいMacBookはユニボディ成形によって底面にもアップルロゴが刻印され、デザインも大きく変わりましたよね。人によっては滑りにくいラバーの底面を気に入っているようですが、その一方でネジが目立つのを嫌う人もいるようです。この底面についても語ってもらえますか?
チェン これまでのMacBookとの最大の違いは、バッテリー容量向上のためバッテリーを交換不可の本体一体型にしたことでバッテリーの着脱機構がないシンプルな1つの底面パーツで置き換えできたことです。これは本体の強度アップにも貢献しています。素材には滑りにくいラバーを採用しました。
その一方で、将来ユーザーがHDDやメモリを交換したくなったとき、簡単に交換できるように8個のネジでとめました。ユーザーはアップル公認のサービスプロバイダーに持ち込まなくても、ドライバー1本で自分でこれらのパーツを交換できるのです。
MacBook vs. Netbook
――さて、今回の製品発表はちょうどWindows 7のリリースと同じタイミングになりました。特にWindows XPからWindows 7へのアップグレードは20時間近くかかるといったことも言われており、そんな大変なアップグレードをするならいっそMacにしてほしい、と乗り換えを勧める狙いもあったと思います。しかし、多くのWindowsユーザーがMacBookの購入を検討する前に行うのは、より安価なNetbookとの比較でしょう。MacBookはNetbookと比べて、どんな点が魅力となっているのでしょう?
チェン 我々はMacBookを買う人とNetbookを買う人とは微妙に違うタイプの消費者だと思っていますが、それでも両者を比較する人にとってMacBookの最初の魅力はその素晴らしいデザインになるでしょう。これは見た目のデザインだけでなく、ユニボディによる製品の頑丈さといったことも含めたトータルの意味でのデザインのことです。これに対して、すべてとは言わないまでも、多くのNetbookはかなり“ヤワ”なところがあります。
2つ目はパフォーマンスです。MacBookは高速な2.26GHzのIntel Core 2 Duoプロセッサーを搭載し、GPUも高速なNVIDIA GeForce 9400Mを採用しています。メモリも2Gバイトが標準で、HDD容量も250Gバイトあります。こうした高スペックのバランスのよさがMacBookの使用体験そのものを、素晴らしいものにしているのです。
3つ目は快適さです。MacBookは前モデルよりも軽量化し、サイズもコンパクトでかばんに収まりやすい製品でありながら、大きくて見やすいディスプレイやフルサイズのキーボードとゆとりのある巨大なトラックパッドを備えています。これと比べると大抵のNetbookは携帯性には優れているものの、使ったときの快適さという点でみればと、妥協しなければならない部分があるのかな、と思っています。私の個人的な印象かもしれませんが、Netbookを使っているときは、どうしても肩幅を狭めて、なにか窮屈さを感じてしまいます。
もう1つ、最後のポイントは、アップルがこのMacBookというハードウェアだけでなく、Snow LeopardというOSや、iLifeといったアプリケーション群もすべて1社で作っており、それによって他社製品では得られない、統合されたシームレスで快適な製品体験を実現していることです。
確かにWindows 7が出てきて話題にはなっていますが、もしWindows 7搭載のノートPCと、我々のMacBookを横に並べて真剣に使い比べてもらったら、多くの人は我々の製品の信頼性と使いやすさを気に入ってくれるものと自負しています。
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