海外旅行出発前に要チェック──「1日数百円から」の海外データ通信、国・地域別の価格一覧:海外プリペイドSIM導入マニュアル 特別編(6/6 ページ)
海外でもスマホで地図アプリを使いたい、もちろん安く──。それなら現地で「海外プリペイドSIM」を入手しよう。連載「海外プリペイドSIM導入マニュアル」より、国・地域別プリペイド製品の価格をまとめた。
SIMロックフリー機器とAPN設定
さて、海外渡航が多く、現地入手のオトクさが理解いただけたなら、SIMロックフリーのスマートフォンあるいはポータブルルータをあらかじめ入手しておこう。
日本で入手できる機器として、例えばイー・アクセス「Pocket WiFi S(S31HW)」「Sony Ericsson mini(S51SE)」など海外でも使える周波数・通信方式に対応した機器、日本通信「b-mobile WiFi」「IDEOS」「b-mobile4G WiFi2」など当初よりSIMロックフリー機器として国内販売されている機器を用いる方法のほか、NTTドコモも一定条件を満たしたデバイスについてSIMロックを解除サービスを2011年より始めている。現地のプリペイドSIMカードとテザリング機能を活用すれば、普段日本で使うスマートフォンやPCもそのまま海外でも利用できるようになるというわけだ。
一覧表に記述するAPN(Access Point Name)とは、該当SIMカードを用いた通信に必要な設定項目のこと。現地で入手したプリペイドSIMカードは、原則としてそのサービスに準じたものを使用機器で設定する必要がある(差せば自動的に設定される場合もある。また、USBモデムやポータブルルータとのセット購入であれば基本は設定済みとなっている)。これらAPNやPINコード(SIMカードに設定する暗証番号、現地プリペイドSIMカードにおいては利用解除のためのパスコード)など使い始めのための文字列は、購入したパッケージやSIMカードの台紙に記述されているので安易に捨てないようにしてほしい。
ちなみに、AndroidスマートフォンでのAPN設定は「設定」→「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」より設定できる。
海外機器のレンタルサービスを利用する手段も
今回紹介した現地でプリペイドSIMカードなどを入手する方法、国内通信事業者の「海外パケット定額サービス」のほか、ニフティやNECビッグローブなど国内大手ISPが展開する「海外定額インターネット」サービス、あるいはグローバルデータ(インターコミュニケーションズ)やWi-Ho!(テレコムスクエア)などが展開する「現地の通信環境をレンタルできるサービス」も利便性がよい。こちらは、渡航前に申し込み、宅配ないし空港でレンタル機器を入手できるので、出発日まで余裕がある場合、あるいは現地でのコミュニケーションに不安がある/望まない人に向いている。
グローバルデータは、韓国、タイ、台湾、中国など一部アジア圏用プランで1日480円(USBモデム+SIMカードレンタルの場合)から。ポータブルルータ型も1日680円から定額利用できる。Wi-Ho!もアジア圏人気旅行先のレンタル料金を値下げし、やはり国内通信事業者の海外パケット定額プランよりリーズナブルな価格が魅力となっている。同サービスの国・地域別の利用事業者および最大通信速度を調査した記事「テレコムスクエアの海外レンタル、キャリアとデータ転送速度の国別一覧」もあわせて参照願いたい。
このほかに国内で注文できる手段として、Bridge Allianceが販売する「AsiaRoam Data SIM」というサービスがある。価格や購入方法など、詳しくは本編「インド・デリー編」を参照願いたいが、オーストラリア(Optus)、香港(CSL)、インド(Airtel)、インドネシア(Telkomsel)、マカオ(CTM)、マレーシア(Maxis)、フィリピン(Globe)、シンガポール(SingTel)、韓国(SK Telecom)、台湾(Taiwan Mobile)、タイ(AIS)の国において共通で使用できるSIMカードを入手できる。本編著者の山根氏は「いくつかの国・地域では現地で購入した方が容易だったり、安価だったりするが、購入が少し面倒な国・地域の場合はこのAsiaRoam Data SIMを選ぶのも確実で手軽な手段」と述べている。
渡航先現地での入手はそれなりに苦労があるかもしれない。ただ、何より安価であること、そしておそらく、その旅において強烈に記憶に残るであろうことを経験できるのが大きな魅力だ。「現地のプリペイド製品を買う」──今後海外に行くなら、こちらも旅の1つのイベントとして予定に加えてみてほしい。
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