レビュー

「VAIO Duo 11」徹底検証(前編)――“スライダーハイブリッドPC”は新時代を告げるWindows 8×タブレット×Ultrabook×デジタイザペン(3/5 ページ)

操作画面が大きく変わるWindows 8。その登場に合わせて、VAIOのフラッグシップノートPCも大きくカタチを変えてきた。ついに国内でも正式発表された「VAIO Duo 11」に秘められた未知の可能性を追う。

移動中に画面を保護できる純正アクセサリ

 しかし、VAIO Duo 11は画面を下にして液晶ディスプレイを閉じられず、常に画面がむき出しになるため、表面が強化ガラスとはいえ、持ち運びにはキャリングケースなどに収納したほうが無難だろう。

 本体と同時発売される純正アクセサリには、ポリウレタンとポリエステル製のキャリングケース「VGP-CK1」(実売4000円前後)が用意されている。衝撃を吸収するクッションなどは備えていないが、本体を傷や汚れから守ることができるほか、薄型軽量なのでバッグの中に収まりやすい。実測での重量も266グラムと軽かった。

 このケースはVAIO Duo 11用に作られただけあって、後述するシートバッテリーを装着したまま収納できるほか、デジタイザスタイラスの収納ポケットまで備えている。VAIO Duo 11の本体にはデジタイザスタイラスの収納機構がないため、ケースの収納ポケットは重宝するに違いない。

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キャリングケースの「VGP-CK1」は、本体と同じガンメタリックのカラーを採用し、表面に細かなディンプルも付けている(写真=左)。キャリングケースのカバーは薄い面ファスナーで固定する仕組みで、シートバッテリーを装着したまま収納できる(写真=中央)。デジタイザスタイラスの収納ポケットも備える(写真=右)

 また、画面を傷や汚れから守る目的では、純正アクセサリの液晶保護シート「VGP-FLS10」(実売2000円前後)も有用だ。外光の反射や画面への映り込みを抑える低反射処理を施していることに加えて、タッチ操作の指滑りをよくする効果もある。また、VAIO Duo 11専用のデジタイザペンに最適な表面加工を施してあり、未装着のガラス面に手書きするより、適度な摩擦があって書きやすい。

専用設計の液晶保護シートも用意(写真=左)。液晶保護シートを付けていない状態(写真=中央)と、装着した状態(写真=右)。液晶保護シートを付けると、外光の反射や映り込みが低減されるのが分かる。ただし、発色の鮮やかさも少し抑えられる

底面に装着するシートバッテリーで長時間駆動をサポート

内蔵バッテリーは着脱できない仕様。付属のACアダプタはコンパクトにまとまっている

 バッテリーは本体に内蔵され、ユーザーが交換できない仕様だ。内蔵のリチウムイオンバッテリーは4セルで、公称容量(平均容量)が39.22ワットアワー/5300ミリアンペアアワーとされている。バッテリー駆動時間の公称値は約7時間(直販モデルは構成によって異なる)と、このサイズのUltrabookでは及第点だろう。バッテリー駆動時間のテストは次回以降で実施する予定だ。

 さらにVAIO Duo 11は拡張バッテリーの純正アクセサリとして、本体底面に装着するシートバッテリー「VGP-BPSC31」(1万5000円前後)を用意している。こちらも4セルのリチウムイオンバッテリーを内蔵し、公称容量(平均容量)は38.48ワットアワー/5200ミリアンペアアワーだ。このシートバッテリーを装着することで、バッテリー駆動時間は公称値で約14時間まで延長できる(直販モデルは構成によって異なる)。

 シートバッテリーは実測での重量が324グラムあり、装着時は総重量が1.6キロを若干上回って、実測での最厚部も34ミリまで膨らむが、それでも駆動時間が2倍に延ばせるのはありがたい。このシートバッテリーにはデジタイザスタイラスの収納スロットが設けられているほか、本体付属のACアダプタを直接つないで充電できるなど、使い勝手にも工夫が見られる。

 Ultrabookの大半はユーザーが内蔵バッテリーを交換できず、拡張バッテリーのオプションも提供されないため、外出先で長時間のバッテリー駆動を行いたい場合にはスタミナ不足になりがちだ。その点、VAIO Duo 11は内蔵バッテリーを交換できないとはいえ、状況に応じてシートバッテリーを装着できることから、さまざまなシーンに対応しやすいだろう。

 付属のACアダプタ(出力10.5ボルト/4.3アンペア)は、実測値でのサイズが39(幅)×94(奥行き)×27.3(高さ)ミリ、総重量が225グラム(本体のみ180グラム、電源ケーブル45グラム)とコンパクトにまとまっている。旅行や出張に持っていく場合でも、じゃまになりにくいサイズだ。

底面に装着するシートバッテリーをオプションで用意(写真=左)。シートバッテリーはフックとレバー操作で簡単に着脱できる(写真=中央)。シートバッテリーは本体に密着せず、放熱のための空間が設けられているため、装着時の厚さは最厚部で34ミリ(実測値)まで膨らむ。シートバッテリーを装着すると、後方が持ち上がってキーボードがチルトし、液晶ディスプレイ部の角度が約125度(実測値)に固定される(写真=右)
シートバッテリーにはデジタイザスタイラスの収納スロットが設けられている(写真=左/中央)。デジタイザスタイラスはキャップを外した状態で、このスロットに差し込む仕様だ。シートバッテリーは、本体付属のACアダプタを直接つないで充電できる(写真=右)。VAIO Zのシートバッテリーは充電に外付けの小型アダプタが必要だったが、今回は直接つなげるように改良された。シートバッテリーの固定方法もVAIO Zが採用した手回しネジではなく、レバー操作で簡単に行えるようになっている

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