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「VAIO Duo 13」徹底検証(前編)――Ultrabook“世界最長”スタミナ、Haswell“世界初対応”Connected StandbyでPCの限界突破へポスト“Z”時代の最上VAIOノート(2/6 ページ)

ソニーの変形モバイルPCに13.3型モデル「VAIO Duo 13」が登場。ボディデザイン、パフォーマンス、ディスプレイ、スタミナ、そしてタッチ&ペン入力まで、劇的進化を遂げた最先端PCの実力に迫る。

小型化しても剛性は確保した新スライド機構

 VAIO Duo最大の特徴といえば、独自のSurf Sliderデザインだ。

 ワンアクションでタブレットスタイル(タブレッドモード)とノートPCスタイル(キーボードモード)を手軽に切り替えながら使えるため、タッチに最適化されたWindows 8のスタート画面にも、キーボードとポインティングデバイスの操作に適したデスクトップ画面にも、素早く対応できる。ほかの変形機構を備えたコンバーチブル型PCに比べて、モードチェンジにかかる労力と時間が少ないのがメリットだ。

 ディスプレイを閉じたタブレットモードの状態から、ディスプレイ部の奥にそっと指をかけて、上方向に持ち上げると、ディスプレイ部が後方にスライドしながらフワッと立ち上がり、キーボードが使えるキーボードモードとなる。キーボードモードの状態で、ディスプレイ上部から斜め下(画面の角度と同じ角度)に軽く押せば、スチャッと閉じてタブレットスタイルに早変わりする仕組みだ。

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タブレットモードからキーボードモードへの変形。液晶ディスプレイ部の上端に指を引っかけて軽い力で立ち上げれば、素早くキーボードモードへ切り替えられる
キーボードモードからタブレットモードへの変形。タブレットモードに戻るときは、液晶ディスプレイ部の上面を軽い力で押し下げれば、簡単にスチャッと閉じる
斜め後ろから見たキーボードモードとタブレットモードの変形機構。タブレットモードでは折り畳まれたスタンドが、液晶ディスプレイ部を開く動作に合わせて立ち上がり、液晶ディスプレイ部を背後から固定する
タブレットモードからキーボードモードに切り替わる様子。液晶ディスプレイ部がスライドしながら立ち上がり、キーボードが現れる

 Surf Sliderの機構が大きく進化しているのは見逃せない。VAIO Duo 11は画面の両脇にスライド機構を内蔵していたため、ディスプレイのフレームが太くなり、横幅も11型クラスのモバイルノートPCとしては長めだったが、VAIO Duo 13はディスプレイ部の背面中央にコンパクトなヒンジを配置しただけで済んでいる。メカメカしいカッコよさを残しつつ、より進化した印象だ。開閉のスムーズな動きは、小型化したからといって失われていない。大画面化と変形機構の小型化を両立している点は高く評価できる。

キーボードモードの状態ではディスプレイの角度が約135度に固定される(写真=左)。ディスプレイ部の背面中央にコンパクトなヒンジを配置している(写真=中央/右)
ディスプレイ部を持ち上げた状態で下からのぞいてみると、ヒンジ内部をケーブルが走っているのが見えるが、VAIO Duo 11のように側面から見て目立つようなことはない(写真=左)。背面には変形時に指を引っかけるための縁がある(写真=中央)。VAIO Duo 11と比較すると、ヒンジ部の小型化は一目で分かる(写真=右)

 もちろん、スマートになっても強度の面ではVAIO Duo 11と同等の基準を満たすという。本体の落下、ディスプレイ表面のひっかき(スクラッチ)、ディスプレイを開いた状態でヒンジ部に負荷がかかるように押したり、ねじったりするなど、過酷な品質試験をクリアしており、その様子は動画でも紹介されている。

 また、材質は底面にカーボン、ディスプレイ表面に強化ガラス、パームレストとディスプレイ部のヒンジにアルミニウム、ディスプレイの背面に高剛性の樹脂を採用しており、長野・安曇野市の同社工場で生産されるMade in Japanモデルとなっている。

ディスプレイの開閉試験(写真=左)。ディスプレイ表面のスクラッチ試験(写真=中央)。落下試験(写真=右)
ヒンジ部のねじり試験

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