Windowsユーザーにとって恐怖のブルースクリーンがグリーンになる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
2016年から2017年の年末年始に入って来たWindows 10アップデートに関する注目の情報をまとめて紹介しよう。
「Belize」という謎のサービスが間もなくスタートか
なお、Build 14997以前から既に組み込まれていた機能のようだが、Microsoftはクロスプラットフォーム環境で写真や動画を共有して楽しむサービス「Belize(ベリーズ)」を準備しているとみられる。
Microsoftのサービス専門ブログメディアである米MSPoweruseは、Windows 10標準搭載の「Photos」アプリのファイルを解析したユーザーからの指摘で、「Belize」と書かれた複数の痕跡を発見したことを報告した。
内部にはAndroid、iOS、UWPの3種類のプラットフォームに対応したQRコードの画像ファイルが含まれており、これらをターゲットにプラットフォームを横断してサービスが利用できるとみられる。このQRコード自体はMicrosoftが最近買収したHockeyAppというアプリ解析プラットフォームで使用されるもので、直接読み込んでも意味がないが、サービス内容の推測には大きな意味を持つ。
現時点ではPhotosアプリの一部に組み込まれているようだが、将来的にはUWPアプリとして独立した形でWindowsプラットフォームに提供されると考えられる。
ちなみにBelizeとは中米にある国の名称だが、現地のトロピカルなバカンスの雰囲気を思い出に……ということで写真共有サービスの名称に採用されたのかは不明だ。Microsoftの写真共有サービスは既に撤退したものを含め、さまざまな形で10年以上にわたって存在し続けており、今回はその最新ステップとなる。
この分野での動きが最近になり活発化していることを最初に報じたのは、米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏だ。Microsoft ResearchやOneDriveチームと連携する形で、同社の「Evoke Studio」がこの種の共有型サービスを開発するために人員を募集していることが2016年前半ごろに明らかになった。
このサービスの特徴は、単に写真や動画をクラウド上にアップロードして共有するのではなく、機械学習などを組み合わせて大量のデータを一括処理して最適な形に再構成する点にある。「自動化」が主眼に置かれている点が興味深い。
振り返ること2015年、MicrosoftがOneDriveストレージ容量の削減を行った際に「このままではユーザーにそっぽを向かれる」ということを指摘したが、もし仮に優れたユニークなサービスを提供できれば、ユーザーの心証は変わるだろうか。
筆者は既に、OneDriveを原稿やOffice文書の共有など軽めのファイルのデバイス間共有でしか使っていないが、魅力あるサービスをあらためて提案してくれるのであれば歓迎したい。
関連キーワード
Windows | Windows 10 | Microsoft | ブルースクリーン | Xbox One | Project Scorpio | OneDrive | 鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
関連記事
スマホは本当にポストPC時代の覇者なのか? Windowsデバイスが変わる2017年
ポストPCが叫ばれて久しいが、スマホ需要も一巡し、パーソナルコンピューティングの世界はその先へ進もうとしている。2017年にMicrosoftとWindowsが進む道を考察する。iPhoneに続いてPCの音声端子もなくなる? 知っておきたい2017年の注目技術
PCの外部拡張端子はUSB Type-Cに集約する方向が定まったが、今後は新機能も盛り込みつつ、それが加速しそうだ。2017年のPC製品に影響を与えそうな注目技術をまとめた。2016年のPC動向を振り返って思うこと
この状況は「つまらない」のか、「落ち着いている」のか。2016年最後のWindows 10プレビュー更新は「音声」に注目
Windowsデバイスを音声で操作したり、自動翻訳機能を強化したり、Microsoftはより簡単にコンピュータを利用し、テクノロジーを活用できる仕組みを整えようとしている。Windows 10が次に実現する「PCではない未来のデバイス」とは?
2017年春に予定されているWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」に伴い、いよいよPCのカタチが変わろうとする予兆がある。Windows 10がHoloLens世代に向けたUI刷新を計画か
かつてデスクトップUIとタッチUIの両立に悩んだMicrosoftだが、今度はAR/VR/MRに適した新しいWindowsのUIを模索しているようだ。PCの新たな可能性を示した「Surface Studio」と「Surface Dial」
うわさのオールインワン型Surfaceは、高画質の28型ディスプレイを備えて「Surface Studio」の名前で登場。周辺機器の「Surface Dial」にも注目だ。Windows 10の次期大型アップデートは「Creators Update」 3Dがより身近に
Microsoftは「Anniverdary Update」に続くWindows 10の次期大型アップデートを「Creators Update」と名付けた。名前の通り、クリエイティブな機能強化を行う。2016年のMicrosoftで注目したい5大トピック
PCおよびスマートフォン市場に大きな変化が訪れそうな2016年。その鍵を握るMicrosoftで注目したい5つのトピックを選んでみた。2016年に起きるPC市場の“二極化”とは?
2016年からはPC業界内で3種類のグループが大きな動きを見せ、結果的に市場の二極化が進むと予想される。Windows 10よりSurface Bookが気になった2015年
Windowsを中心として、Microsoftの最新動向を追い続けている本連載。今回は年末らしく2015年に登場したWindows 10と、それに関連する重要なトピックを考察する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.