街は回復するも、自作予算の青天井は止まらない:2023年のアキバまとめ【前編】(4/4 ページ)
コロナ禍が収まった電気街の様子は2019年以前に近くなったが、売れ筋パーツの価格はその頃から大きく上昇している。とりわけ目立つのはグラフィックスカードだ。前編はそこにスポットを当てて2023年を振り返る。
Radeon RX 7000シリーズも堅調、第三極として定着が進むIntel Arc
対するRadeonは、2022年12月16日に登場した「Radeon RX 7900 XTX」と「Radeon RX 7900 XT」搭載カードの枯渇がしばらく続いたが、1月から2月にかけてオリジナルクーラーモデルが各社から登場し、ゆっくりと供給が安定していった感がある。
中でも、4月にASRockから登場した「RX 7900 XTX Taichi White 24GB OC」は、ホワイト基調かつ、人気シリーズに属するモデルとあって、各ショップで取り合いになるなどの反響も残している。
下位のラインアップは、夏から秋にかけて登場した。まず「Radeon RX 7600」を搭載したカードが5月末に4万5000円弱~5万7000円弱で売り場に並び、9月には「Radeon RX 7800 XT」と「Radeon RX 7700 XT」を搭載したカードが加わっている。
RX 7800 XTカードの価格は8万6000円弱~11万円弱、RX 7700 XTカードは7万4000円弱~9万3000円弱だった。
11月後半にGeForce RTX 4090カードが枯渇した際は、連動するようにRadeon RX 7900 XTXカードの品薄傾向も目立つようになったが、年末にかけて復調傾向も見られた。12月に入った頃、TSUKUMO eX.は「『GeForceじゃないと』という人は今もいますが、性能比でRadeonを選ぶ人も増えていて、安定した人気がありますね」と話していた。
Intel Arcも新たなGPUを投入している。10月初旬にミドルレンジGPU「Intel Arc A580」を搭載したカードがASRockから登場。製品名は「Intel Arc A580 Challenger 8GB OC」で、価格は3万5000円弱だった。
既存の「Arc A770/750」と「Arc A380」の中間に位置するミドルレンジクラスで、ドスパラ秋葉原本店は「GeForce RTX 3060カードやRadeon RX 7600カードあたりのライバルと考えると、価格的にも悪くないと思います」と評価していた。
その後、11月にはローエンドとなる「Intel Arc A310」を搭載したカードが、同じくASRockから売り出されるなど、ラインアップを順調に増やしている。
その他、2023年はPCケースのトレンドにも大きな変化が見られた。CPUやマザーボードの主流も移行している。それは後編で振り返っていこう。
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