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アップル、“Nehalem”世代に生まれ変わった「Mac Pro」16スレッド同時処理が可能

プロシューマー向けの「Mac Pro」もフルモデルチェンジした。アルミのタワー型ボディはそのままに、CPUをNehalem世代に移行するなど、内部を一新している。

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2世代目の45ナノCPUに移行し、性能は最大2倍アップ!?

写真はApple LED Cinema Display(別売)と並べたところ

 アップルは3月3日、プロシューマー向けのタワー型デスクトップPC「Mac Pro」をフルモデルチェンジし、直販サイト「Apple Store」で受注を開始した。記事執筆時、Apple Storeの出荷予定は6営業日だ。価格は27万8800円から。

 従来のMac Proは、Coreマイクロアーキテクチャから派生した「Penryn」(開発コード名)コアのXeon 5400シリーズを採用していたが、新型のMac Proは最新マイクロアーキテクチャである「Nehalem」(開発コード名)コアのXeon 5500シリーズもしくはXeon 3500シリーズを初めて搭載した。いずれもクアッドコアCPUで、2.26GHz/2.66GHz/2.93GHzのXeon 5500シリーズ2基による8コア構成、もしくは2.66GHz/2.93GHzのXeon 3500シリーズ1基による4コア構成を選択できる。

 マイクロアーキテクチャの変更によってCPUのクロックは下がっているが、アップルによれば、量産前の8コアMac Pro 2.93GHz搭載新モデルと、8コアMac Pro 3.2GHz搭載旧モデルを用いてSPECfp_rate_base2006テストの結果を比べたところ、新モデルは最大2倍のパフォーマンスを発揮したという。

 Xeon 5500/3500はXeon 5400と同じ45ナノプロセスルールで製造されるが、内部構造は大きく異なり、CPUパッケージにメモリコントローラを内蔵し、コアごとに独立した256Kバイトの2次キャッシュに加えて、コア間で共有される8Mバイトの3次キャッシュも備えている。ソフトウェアに対して物理コア数の2倍となる論理コアをもたらすHyper-Threading技術により、最大16スレッド(8コア時)を同時処理可能だ。

 また、使用していないCPUコアがある場合、アクティブなCPUコアのみ駆動電圧を上げてクロックアップ動作させるIntel Turbo Boost Technologyにも対応する。同機能を使うことで、8コア2.93GHzのシステムで3.33GHzまでクロックアップ動作させることができる。

 サポートするメモリチャネルは3本で、メモリは1066MHz動作のDDR3 ECC SDRAMを採用する。メモリスロットは8コア構成時で8基(最大容量は4Gバイト×8で32Gバイト)、4コア構成時で4基(最大容量は2Gバイト×4で8Gバイト)だ。

グラフィックスを強化し、ボディ内部も変更

 グラフィックス機能は512MバイトのGDDR3メモリを備えたNVIDIA GeForce GT 120搭載カードを16レーンPCI Express 2.0スロットに装備。BTOで512MバイトのGDDR3メモリを備えたATI Radeon HD 4870も選択できる。いずれのグラフィックスカードもMini DisplayPortとデュアルリンクDVIポートを1基ずつ用意している。

 HDDはSerial ATAドライブを4基まで内蔵可能だ。640Gバイト/1Tバイトの7200rpm HDDを選択でき、最大容量は従来と同じ4Tバイトになる。BTOオプションでRAID 0、1、5、0+1構成に対応したRAIDカードも加えられる。光学ドライブは2層記録対応の18倍速SuperDriveを採用し、1基の空き5インチベイにもう1基のSuperDriveを積むこともできる。

 PCI Expressスロットは、PCI Express 2.0 x16スロット1基とPCI Express x4スロット2基を実装。インタフェースはFireWire 800ポート4基、USB 2.0ポート5基、ヘッドフォン、スピーカー、光デジタル音声入出力、ライン入出力を備えている。通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを搭載し、802.11n AirMac Extreme Wi-Fiカードがオプションで提供される。付属のキーボードはテンキー付きApple Keyboard(USB 2.0ポート2基搭載)、マウスはMighty Mouseだ。OSはMac OS X v10.5 Leopardがプリインストールされる。

 アルミ製ボディの外観に変更はないが、内部は再設計された。メモリやPCI Expressカード、HDDの追加がより容易になったという。本体サイズは206(幅)×475(奥行き)×511(高さ)ミリ、重量は8コア構成時で約18.7キロ、4コア構成時で約18.1キロだ。

外観に変更はないが、内部構造には手が加えられた。メモリスロットを搭載したボードが手軽に引き出せるようになり、メンテナンス作業が容易になった

Mac Pro標準構成のスペック
モデル クアッドコア(MB871J/A) 8コア(MB535J/A)
CPU 2.66GHzクアッドコアXeon 3500×1 2.26GHzクアッドコアXeon 5500×2
メモリ 3Gバイト(1Gバイト×3)1066MHz DDR3 ECC SDRAM/最大8Gバイト 6Gバイト(1Gバイト×6)1066MHz DDR3 ECC SDRAM/最大32Gバイト
グラフィックス NVIDIA GeForce GT 120(512MバイトGDDR3メモリ)
HDD 640GバイトSerial ATA(7200rpm)
光学ドライブ 2層記録対応の18倍速SuperDrive
価格 27万8800円 35万8800円

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