何がいつから手に入る? 入手可能順で振り返るWWDC 2009基調講演:WWDC 2009現地リポート(2/2 ページ)
内容が盛りだくさんだったWWDC 2009の基調講演。ここでは現地リポートの速報として、講演で示されたスライドとともに、発表された内容を入手可能な順に時系列で振り返っていく。
6月17日、現行のiPhoneが生まれ変わる
6月前半は新しいMacBook Proシリーズの話題で盛り上がりそうだが、後半はiPhone関連の話題が控えている。まず米国時間の6月17日、100以上の新機能を備えたiPhoneの最新OS「iPhone 3.0」がリリースされる。
同OSは、日本では発売されなかった初代iPhoneと現行のiPhone 3G、さらには初代と2代目のiPod touchに対応し、新発表になったiPhone 3G Sでは標準で搭載される(ちなみにiPhoneユーザーは、新OSに無料でアップグレードできるが、iPod touchのユーザーはiTunesから9.95ドルでアップグレードを購入することになる)。
この新OSを使うと、カット、コピー、ペーストができるようになり、本体を手で振って前の操作の取り消す(Undo)ジェスチャーにも対応する。また、本体を横向きにして使うLandscapeモードが、より広範囲のアプリケーションで活用されるようになった。さらに、これまでのiPhoneには相手の電話番号だけ知っていればテキストメッセージが送れるSMSという機能があったが、これに加えて位置情報や画像、動画なども送れるMMSという通信機能が利用可能になる。この機能を採用するか否かは、iPhoneを発売している各国のキャリアの判断次第ということだが、日本のソフトバンクは提供する予定だ(ただし、ほかのキャリアとのあいだでやりとりができるかなどを含めて、その詳細に関してはまだ分からないところが多い)。
iPhone 3.0では、アプリケーションに検索機能が追加され、サーバー上に置いてあるメールの中味も検索可能になる。また、ホーム画面の1ページ目を右方向にフリックすると、Mac OSでおなじみのSpotlightという全体検索の画面が現れる。これを使えば、メール、Web、アドレス帳といったアプリケーションを超えて、横断的に情報の検索ができる。
このほか、iPhone単体で音楽や映画などのコンテンツを購入する機能や、ペアレンタルコントロール機能、より高速になったWebブラウザや、なくしたiPhoneにメッセージを送ったりiPhone内の情報を削除して個人情報漏洩を防ぐ「Find My iPhone」という機能も追加されるし、アプリケーションでのコンテンツ追加購入や月額課金が可能になる「In App-Purchase」、新着情報などの通知をiPhoneの処理速度に影響を与えずに行う「Push Notification」など、iPhone 3.0の新機能は枚挙にいとまがない。
ちなみに、iPhoneをモデム代わりにして、USBまたはBluetoothで接続したPCをインターネットに接続するテザリングという機能もOSレベルでは用意されるが、こちらも利用できるか否かはキャリア次第。残念ながらテザリングに関しては、日本のソフトバンク側から、日本では利用できないとアナウンスされている。
6月26日、新しいiPhoneが始動する
ここまででもかなりのニュースだが、それに加えてアップルは、米国時間の6月19日に、iPhoneの新端末「iPhone 3G S」の販売を開始する。日本では6月26日の発売だ。
「iPhone 3G S」の「S」はスピードの「S」で、従来のiPhoneよりも大幅にスピードが強化されている。
また、それに加えてビデオも撮影可能な300万画素のオートフォーカスカメラが内蔵され、撮影機能が大幅に強化された。フォーカスや測光、ホワイトバランスは、画面に映し出された被写体を指でタップしてあわせることができる。
さらに音声認識機能にも対応し、日本語も含めた世界各国語で音声で操作が可能になった。例えば「電話」といった命令を声でいうと、自動的にアドレス帳を参照し、電話可能な人の名前を表示、そこで名前を読み上げると、そこにダイアルをしてくれる、という仕組みだ。また電子コンパス機能が搭載され、方位の表示や地図の自動回転ができるようになった。
また、これまでiPod nanoとiPod touchのみだったNike+にも対応している。米国での価格は16Gバイトモデルが199ドルで32Gバイトモデルが299ドル。従来のiPhone 3Gも8Gバイトモデルを99ドルで継続して販売する予定だが、国内での価格設定などは、これから決まるようだ。
そして9月にはいよいよ「Snow Leopard」がリリース
今日発表されたものの中で、最もリリースが遅いのはMacの新OS「Mac OS X “Snow Leopard”」で、9月のリリースが予定されている。ちなみに開発者にはほぼ最終版に近いバージョンが配られた模様だ。
Snow Leopardの新機能については、アップルの公式ホームページが詳しいが、新機能の搭載ばかりでなく、評価が高かったMac OS X“Leopard”を基盤に従来の基本を継承しながら、全体的にブラシュアップしているのが大きな特徴で、OSそのものの容量も6Gバイトほど削減されている。なお、この新しいOSはインテルCPU搭載のMacだけに対応するようだ。
以上、WWDC 2009の基調講演を足早に振り返ってみた。多くの内容は予想できたものの、フタを開けてみれば大きなニュースがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。Snow Leopardなどの詳しい内容については、この後に掲載する詳報記事で見ていくことにしよう。
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