新型「13インチMacBook Pro」の“Pro度”を検証する:性能は? バッテリー駆動時間は?(2/2 ページ)
MacBook Pro史上、最も安い13インチモデル「MB990J/A」。前回は旧MacBookと比較しながら、液晶ディスプレイなどの違いを中心に見てきたが、今回はシステム性能やSDメモリーカードのリード/ライト速度、バッテリー駆動時間などを検証していく。
最後にMB990J/Aのバッテリー駆動時間と、新設されたSDメモリーカードスロットのリード/ライト速度を検証した。
バッテリー駆動時間は、Mac OS XとWindows XPの両環境下で計測している。Mac OS Xでは、画面輝度を最高に設定し、キーボードバックライトの明るさを最大、1分間のQuickTimeファイルを全画面で連続再生するという方法。Windows XPでは、海人氏作の「BBench 1.01」を利用して、画面輝度は最高、キーボードバックライトは最低、電源設定は「ポータブル/ラップトップ」で、10秒おきにキーボードを押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストした。なお、比較対象機種の結果は、Windows XP(SP3)/Windows Vista(SP1)など厳密には環境が統一されていないので参考程度にみてほしい。
結果は、やや厳しめのテストとなったMac OS X環境下で199分。Windows XP環境のテストでは241分となった。公称値には届かなかったものの、性能をほぼフルに使っても約3時間以上は持ち、通常利用で4時間前後はバッテリー駆動が可能だと思われる。画面輝度やCPUパフォーマンスを調整することでさらにバッテリーライフを延ばすことができるため、標準バッテリーによる実測の駆動時間と考えればまずまずだ。また、バッテリー寿命が約3倍(なかなかへたらない)のもうれしいところだろう。
SDメモリーカードのリード/ライトは、サンディスクの高速SDHCカード(SanDisk Extreme III 30MB/s EDITION)を使い、直接本体に挿したときのスピードと、30MB/s対応の高速カードリーダー(SanDisk ImageMate 30MB/s Edition)経由でUSB接続したときのスピードを比較した。また参考としてHDDの転送速度も掲載している。このテストもMac OS XとWindows XPの両方で実施し、前者はHDBench、後者はCrystalDiskMark 2.2を利用している。
結果を見ると、直接SDメモリーカードスロットで転送したほうがUSB経由よりも明らかに速いことが分かる。カードリーダーの持ち運びを省ける以上に、速度面でも専用スロットを搭載した意味はありそうだ。デジタルカメラなどでSDメモリーカードを多用するユーザーにとっては、今回のインタフェースの一新はプラス面が大きいだろう。
以上、全体的に、システム性能面で“Pro”を感じさせるほど突出した部分はほとんどないというのが正直な感想だ。バッテリー性能の向上やSDカードスロットの搭載は非常にうれしいところだが、“Pro”に関する部分はFireWire 800の復活とキーボードバックライトが光る、Proのロゴが付いた程度だろう。やはり外付けGPUと非光沢パネル(これは15インチモデルにも言えることだが)のオプションは追加して欲しかった。とはいえ、ただProのロゴが付いているというそれだけの理由で、個人的には物欲が沸き上がってしまったりもするのだが。
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