CULV版CPU搭載、だけど大きめなノートPC――「UL80AG」を使ってみた:メインマシンとしても通用する!?(3/3 ページ)
安価な薄型軽量ノートPCでおなじみのCULV版CPUだが、あえて大きめなノートPCに採用してメリットを享受する製品もある。ASUSの「UL80AG」は、まさにその好例だろう。
Windows 7での作業を快適にこなせるパフォーマンス
Windows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを右に示した。ゲーム用グラフィックスとグラフィックスの値が少し低いものの、プロセッサの値で4.4、メモリとプライマリハードディスクの値はそれ以上だ。据え置き型ノートPCとしてハイパフォーマンスとはいえないまでも、Windows 7の新機能を十分楽しめるレベルの性能は確保している。
PC USERが定例で実施している各種ベンチマークテストの結果は、下のグラフに掲載した通りだ。Celeron SU2300(1.2GHz)を搭載したUL20Aと比較して、PCMark Vantageの総合スコアで約16%、PCMark05のCPUスコアでは約23%高い値をマークしており、上位ブランドのCore 2 Duoを搭載しているだけのことはある。ただし、グラフィックス統合型チップセットを搭載しているため、3D描画性能のテストでスコアが振るわないのは仕方がないところだ。
バッテリー駆動時間、騒音レベル、発熱もチェック
モバイルというサイズではないが、長時間駆動が特徴のモデルなのでバッテリー駆動時間のテストも行った。テストに使ったソフトはおなじみの「BBench 1.01」(海人氏・作)だ。無線LANで常時接続し、BBenchの設定はデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」および「10秒間隔でのキーストローク」となっている。電源プランはデフォルトの「Power4Gear Entertainment」をそのまま利用した。
テスト結果は426分(7時間6分)だった。公称値には及ばなかったが、Power4Gear Entertainmentのバッテリー駆動時設定では液晶ディスプレイの輝度が80%と高めにセットされるため、十分健闘しているといえる。
騒音や発熱の処理も優秀だ。騒音レベルは暗騒音32デシベル、室温22度の環境で本体前面から5センチと近い距離で測定したが、アイドル時、低負荷時ともに36デシベルだった。静かな部屋では少しの風切り音とたまに動作するHDDのアクセス音が聞こえる程度で、室温がやや低かったためか、負荷時も騒音レベルはほどんど上がらない。
同じ環境でPCMark05/3DMark06を実行し、終了後にボディの表面温度を測定したところ、排気口のある底面左側でも最高36度に抑えられ、表面はどこも30度前後とほとんど熱くならなかった。ASUSがウリとするように、パームレストは確かに熱くなりにくい。
価格も含めて良好なバランスのCULV“大型”ノート
価格はOffice Personal 2007が付属した構成で12万9800円だ。Celeron SU2300(1.2GHz)を搭載した下位モデルは、Office付属のUL80AG-WX010VSで9万9800円、OfficeなしのUL80AG-WX010Vで7万9800円となっている。UL20Aほどのインパクトはないものの、コストパフォーマンスは十分に高い。ただ、できれば上位モデルにもOfficeなしモデルを用意してほしかった。
とはいえ、大きな液晶ディスプレイと光学ドライブ、ギガビットLAN、HDMI出力、そしてオフィススイートまで装備したフルスペックのノートPCでありながら、消費電力が低いCULV版CPUを採用することで、非常に高いレベルの静音性と低発熱、そしてスリムなボディを実現しているのは魅力だ。バッテリー駆動時間も非常に長く、前述したように屋内で移動しながらPCを使うことが多いユーザーにとっては重宝するだろう。
ボディのサイズが大きいため、いわゆる「CULVノートPC」あるいは「モバイルサブノートPC」の範ちゅうには入らない製品になるが、デザインや性能面、静音性などに魅力を感じるならば、購入を検討する価値はある。
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