インテル、“Oak Trail”を正式に発表:“Ceder Trail”も2011年後半に登場
インテルは、開発コード名“Oak Trail”新プラットフォームを4月12日に発表した。富士通、Lenovoなどから搭載製品が2011年5月より出荷する予定だ。
ようやく正式発表のOak Trail
開発コード名「Oak Trail」は、タブレットデバイスへの搭載を想定したモバイル向けプラットフォームの新シリーズで、COMPUTEX TAIPEI 2010やIDF 2010などの技術イベントでも概要が紹介されており、2011年3月のCeBIT 2011ではサンプル機が展示されていた。
Oak Trailで採用するCPUのAtom Z670は、省電力性能を強化することで従来のAtom Zシリーズより小型、薄型化されたファンレスデバイスへの搭載を実現した。チップサイズも従来の60%に抑えている。また、拡張インテルディーパースリープの導入やSpeed Step Technologyの最適化などの省電力機能の強化で、最大1日のバッテリー駆動も可能になったとしている。
CPUに統合されたグラフィックスコアは、動画再生機能が向上し、1080p動画コンテンツをHDMIで接続した大画面ディススプレイで利用できる。チップセットにはIntel SM35 Expressを採用し、USB 2.0、HDオーディオをサポートする。
Oak Trailを採用するタブレットデバイスは、2011年5月から各メーカーから出荷される予定だ。出荷予定メーカーには、富士通、Lenovo、Vilivなども挙がっている。
32ナノメートルプロセスルールを採用する“Cedar Trail”
インテルは、Oak Trailの次世代プラットフォームとなる「Cedar Trail」(開発コード名)の概要も明らかにしている。Cedar Trailで採用するCPUでは、32ナノメートルプロセスルールを導入する予定で、低消費電力とTDPの抑制でファンレスデバイスへの搭載が可能になるだけでなく、長時間のバッテリー駆動を実現しつつ性能向上も図るという。
また、ビデオ再生専用のハードウェアエンジンを実装することで、Blu-ray 2.0や1080p再生に対応するほか、映像出力インタフェースではHDMIに加えてDisplayPortもサポートする予定だ。さらに、CeBIT 2011で公開されたインテル ワイヤレス・ミュージックやインテル ワイヤレス・ディスプレイ、PCシンク機能、ファーストブート機能などを導入するという。
インテルは、メーカー向けにCedar Trailのサンプル出荷を開始しており、搭載製品は2011年の後半に登場する見込みとしている。
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