大解説! 28ナノプロセスルール採用の新世代GPU「Radeon HD 7970」:まさか、このタイミングででてくるとは(4/4 ページ)
AMDが“Southern Islands”と呼んで開発を進めてきた新世代GPUの最上位モデル“Tahiti”を発表した。その詳細をオースティンであった説明会から紹介する。
GPUの併用で動き補正が精密になる
UVDの機能強化では、MPEG-4やDivXでハードウェア支援に対応したほか、H.264のフルエンコード機能を備える「Video Codec Engine」(VCE)を搭載したことで、エンコードの高速化や最大2つずつのHDとSDストリーム映像のハードウェア再生支援が可能になった。Radeon HD 7000シリーズでは、このVCEを使って低消費電力でも高速なビデオエンコードを可能にしたり、GPUと併用して高画質のビデオエンコードを高速化したりできるようになる。
さらに、Radeon HD 7000シリーズでは、動画の動き検出やパターンマッチングなどに用いられるSAD(Sum of Absolute Difference。絶対値誤差)をGPU(CU)側で処理するときに、16×16ドットのマイクロブロックを4分の1となる4×4ブロックに分割して演算処理する「QSAD」(Quatar SAD)をサポートすることで、より高速な動き検出やパターンマッチングを可能にした。この技術を用いることで、Radeon HD 7000シリーズでは、ビデオの手ブレを再生時に補正する「AMD Steady Video」が2.0に進化し、より高精度で高速な補正が可能になる。
Radeon HD 7970のパフォーマンスは、AMDが公開したデータを見る限り、競合となるNVIDIAのGeForce GTX 580と比べて平均1.4倍強という。新アーキテクチャの採用と28ナノメートルプロセスルールの採用によってStream Processor数を2048基に増やしたことが、数字にも表われたようだ。ただし、ネケチャク氏は「新アーキテクチャなので、ドライバチューニングの余地は、まだまだある」と述べている。その実力は、後日紹介されるベンチマークテストの結果を待ちたい。
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