タブレット最高峰を目指した画作りとは?――「Xperia Tablet Z」:Xperia Tablet Z マニアックス(5)(2/2 ページ)
「Xperia Tablet Z」の液晶ディスプレイは、前モデルはもちろん、「Nexus 10」や「iPad」をも超える色域が備わっている。さらに注目したいのは、独自の高画質化技術だ。
Xperia Tablet S、Nexus 10と画質を見比べる
次に前モデルのXperia Tablet Sと、ライバル機のNexus 10でも同じ画像を表示し、Xperia Tablet Zと並べて見比べてみた。以下の写真はいずれも、Xperia Tablet Zのモバイルブラビアエンジン2をオンにしている。
まずは1280×800ドット表示の9.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載したXperia Tablet Sとの比較だ。Xperia Tablet Zは1920×1200ドット表示の10.1型ワイド液晶ディスプレイを備えており、比較すると画素密度が約160dpiから約224ppiにアップしている。
さらに、液晶ディスプレイの色域は約2倍に広がり、モバイルブラビアエンジン2の高画質化処理も加わるため、高画素の写真やフルHD動画を表示すると、解像感も発色も大きく向上しているのが体感できる。
次に2560×1600ドット表示の10.055型ワイド液晶ディスプレイを装備したNexus 10と比較した。その画素密度は約300dpiにのぼり、非常に高精細な表示を実現しているが、色域は先に紹介したXperia Tablet Sより狭く、Xperia Tablet Zより少し色温度が高めだ。
実際に見比べてみると、Xperia Tablet Zの発色のよさは一目で分かる。これに加えて、高画質化処理の効果もあり、建物が密集した写真や、毛で覆われた動物の写真といった細部の解像力が求められる画像を表示してみても、意外なことに、Xperia Tablet Zのほうが精細で立体的に見えることが多い(毛の表現はシャープネスで少々わざとらしい部分もあるが)。
Xperia Tablet Zの約224ppiという画素密度でも、タブレットの標準的な視聴距離ではドットを感じるようなことがほとんどなく、それよりも色域や高画質化処理のアドバンテージのほうが大きいのだろう。目を画面にじっと近づけて凝視すると、Nexus 10は細部まで非常に細かく描画できているのが分かるが、ぱっと見の印象はXperia Tablet Zのほうが明らかに上だ。
Retina級の高画素密度ではないが、総合的な画質は非常に高い
以上、Xperia Tablet Zが搭載する液晶ディスプレイとモバイルブラビアエンジン2による高画質化効果をチェックした。表示品質の高い特注の液晶ディスプレイをベースとして、ソニーが液晶テレビやディスプレイ、PCの開発で培ってきた高画質化技術も加味され、その総合的な画質は現行のタブレット製品群でも際立っている。
表示解像度はNexus 10やiPad Retinaディスプレイモデルに譲るが、通常の利用で画素密度が粗く感じるシーンはまれだ。モバイルブラビアエンジン2の効果もあり、むしろ写真や動画の精細感は高く感じられる。これ以上の高解像度を目指すと、ディスプレイの輝度やバッテリー駆動時間に影響するため、極限の薄さと軽さ、スタミナとのバランスも考えて、現状ではこれくらいの解像度で十分という判断なのだろう。
現状でも画質は満足できるが、次世代機ではこの薄型軽量の防水ボディとスタミナを可能な限り維持、もしくは進化させながら、ディスプレイの高解像度化も期待したいところだ。
・→Xperia Tablet Z マニアックス(6):極薄の防水タブレットでも高音質は味わえるか?――「Xperia Tablet Z」
←・Xperia Tablet Z マニアックス(4):液晶はライバル機より高画質か?――「Xperia Tablet Z」
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