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どんなスキルが身に付く? 話題の「プロゲーマー専門学校」に潜入してきたIT記者はプロゲーマーの夢を見るか?(3/3 ページ)

意外と体育会系でした。

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「毎日ゲームができる、やったー!」は甘い考え?

 皆さんお待ちかねのゲームルームに向かうため、北葛西校舎へ向かう。外はすっかり真っ暗だったが、変わらず校内は活気にあふれている。カリキュラム通り、社会人の基礎たる元気の良い「おつかれさまです!」のあいさつはこちらの校舎でも頻繁に飛び交う。

―― どの生徒さんも、学生時代の部活動を思い出すような気持ちの良いあいさつがすごく印象的ですね。大学や会社ではあまり見られない光景だなと思いました。

東京アニメ 学校の教育方針で重視していることもありますし、生徒はみんな真面目で授業の出席率も98%なんですよ。

―― えっ……98%!? 自分の大学生活を思い出すと本当に恥ずかしい限りです。

東京アニメ 2年で卒業する関係で、かなり忙しいですからね。21時過ぎまで授業をすることもあります。

―― なるほど、大変ですね。

 校内の至る所に「今日も笑顔であいさつを」という標語を掲示しており、生徒たちは夕方でも元気に声を掛けてくれる。そして、限られた期間でスキルを身に付けるため、あまり遊んでいる暇はなさそうだ。「毎日ゲームができる、やったー!」などという甘い考えは早めに捨てよう。未知の職業に対する将来の不安は残るが、これなら親も快く送り出してくれることだろう。

「ゲームが好きです!」とアピールしてみた結果

 取材前と印象がガラリと変わったところで、最新の高性能なゲーミングPCや周辺機器が並ぶゲームルームに到着した。今はe-sports部などの部活動で使用するだけなので10席ほどが並ぶだけだが、今後はゲームルームを増設し、好きなメーカーの機器を生徒が自由に選べるようにラインアップを拡充していく。

 詳細は明かされなかったが、デスクトップPCには既に授業で扱うであろう複数のゲームタイトルがインストールされているという。

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最新のゲーム機器が並ぶゲームルーム
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イスを置けば20〜30人で授業ができそう

 実際にこれらの機器に触れてみたが、これはゲーマーにとってはまさに夢のような空間だ。高等学校を卒業したか、もしくは同等以上の学力を有する18歳以上なら年齢の上限なく誰でも入学資格があるという。第2の人生を歩むため、IT記者からプロゲーマーに転向――うん、インパクトもあるし悪くない。

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触り心地は上々です

 筆者はPCゲームにはほとんど触れたことはなく、家庭用ゲーム機の対戦格闘ゲームを少々たしなむ程度。アピールするならそこを狙うしかない。

―― 「ゲームが好きです! エアガイツ(スクウェアが発売した3D格闘ゲーム)への情熱なら誰にも負けません! というか、ゲームがやりたいです!」

東京アニメ 単にゲームをやりたいという理由だけでは、受験時に落ちる可能性がありますね

―― えっ……。

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プロゲーマーになるんだ!


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絶対……なるんだ……


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なる……んだ……


東京アニメ 学科新設の狙いが、「人材不足のe-sports業界で活躍する人材の育成」なので、ゲームが好きで業界に貢献したいという思いがあるかどうかを重視しています。なので、現時点でのゲームの強さ、知識などはそこまで関係ありません



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おっ?


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まだ可能性の芽は……


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残されている!

 AO・一般入試に関わらず、試験は面接と筆記の両方を実施し、認識のズレがあればそこで修正していく。あくまで「e-sports業界に貢献したいという熱い思いがあるかどうか」が重要なのだ。筆者のようにただゲーム好きをアピールするだけでは入学できないかもしれない。

 来年1月にはドワンゴが「闘会議2016」で日本最大級のゲーム大会「闘会議GP」(賞金・商品総額は1億円を超える見込み)を開催するほか、3月には日本eスポーツ協会が「第1回 日本eスポーツ選手権大会」を開催するなど、国内でも賞金が出る大規模な大会が増えてきている。同校の卒業生がe-sports界をどう変えていくのかに注目だ。

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