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「テレワーク」で、オフィスから人が消えた日:デバイスやツールの性能は整った、あとは会社の制度だ(2/2 ページ)
平日の昼前にもかかわらず、レノボ・ジャパンのオフィスフロアに人の姿が見えない。みんなどこに行ってしまったの……?
レノボ・ジャパンがテレワークに取り組んで分かったこと
レノボ・ジャパンでは、創立時の2005年より週1回の上限付きでテレワーク勤務を導入しており、2015年12月にはテレワーク実施の回数を無制限に変更するだけでなく、全社でテレワークについての他社先行事例やライフバランスの重要性、介護離職のリスクなどを外部講師を招いて学ぶ機会を設けたという。その結果、テレワーク制度が全社に浸透し、全体の88%がテレワークを利用するまでに至ったという。
レノボ・ジャパンによるテレワーク会議のデモ
テレワークを実際に活用している社員は、「今まで義母の通院や子供の病気、受験の引率の時は有給休暇を取りつつも、実際は自宅や病院、試験会場で仕事をしていた。これが正式にテレワークという方法で働いたと認めてもらえるようになった」「妻の出産が近く、急な対応が必要になるかもしれない不安な状況下で、テレワークによる在宅勤務なら安心して仕事に集中できるようになり、効率も上がった」という感想を持ったという。
テレワークの課題は
一方、実際にテレワークを実施して見えてきた課題もある。以下はレノボ・ジャパンが行った社内アンケートによるものだ。
- エンドレスに仕事をしてしまい、業務時間増となってしまった
- オンラインミーティングは、資料と声だけでは分かりにくいときもある
- オフィスのほうがマルチモニターなど仕事をする上でのインフラが整っている
- 紙の承認がまだ残っており、一部業務が対応不可
- 部門にテレワークに消極的な方が一部いるため、承認を取りづらい
- Face to Faceで指示を与えたほうが理解しやすいケースがあった
- (ツールの)Lyncを起動させていない、もしくは起動させるのが遅い
- 顔が見えないので、健康度合いやモチベーション状況の把握が難しい
- 利用頻度が増えた場合のマネジメントができるか不安
以上の結果を見ると、テレワークを実施する上でのICTツールやインフラは既に十分整ってきており、今後はテレワークを前提とした社員の意識・行動変革が重要となりそうだ。新しい働き方にかじを切ったレノボ・ジャパンだが、今後、テレワークが日本人のマインドにどう根付くか期待したいところである。
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