知っておきたいOffice 365とWindows 10のポリシー変更:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
今後はWindows 10とOffice 365のアップデートサイクルが3月と9月の年2回に固定される。それに伴いサポート期間も変更となるが、ユーザーにはどのような影響を与えるのだろうか。
Windows 10のアップデートサイクルとサポート期間も変更へ
米Microsoftは4月20日(現地時間)、Windows 10についても今後は3月と9月の年2回で大型アップデートを提供していくと発表した。
これまでMicrosoftは公式に「1年間に1〜3回」とアナウンスしており、Creators Updateのような大型アップデートの提供サイクルを明確にしてこなかったが、前述したOffice同様、「企業ユーザーがアップデートを計画的に行うことを支援するため」に3月と9月の年2回体制に固定したわけだ。
Creators Updateの提供が2017年4月に開始されており、これを実質的に3月分のアップデートとすると、次期大型アップデート「Redstone 3(RS3)」は9月分のアップデートとなる。
また、Windows 10のサポート期間も、従来はアップデートの提供開始から12カ月だったものが、18カ月へと延長された。
常に最新状態に保つ必要がある一般向けリリース(Current Branch:CB)を除けば、企業向けのCBBにおけるサポート期間が半年間延長されることになり、場合によっては大型アップデートの適用を1回分スキップできる。つまり、大型アップデートの適用サイクルを年1回または2回のどちらにするかを、企業のIT管理者が選択可能になった点が今回のポリシー変更のメリットとなる。
今後の懸念は、Microsoftがこのアップデート提供サイクルをどこまで維持できるかということだ。締め切りを設定し、そこに向けて盛り込むことが可能な機能を絞っていくことに関しては問題ないだろう。
ただし、2016年8月に配信された「Anniversary Update」がそうだったように、予想しない事態で検証に手間取り、遅いユーザーでは配信開始から2カ月以上かかってアップデートの提供が行われるなど、必ずしも意図通りのタイミングで更新できない場合もある。
そのための「年1回または2回」のアップデートサイクル選択制とも言えるが、この辺りに留意しつつ、最適な運用を検討してほしい。
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