ルネサス、フルHD動画の撮影と再生に対応した携帯電話用LSIを開発
ルネサス テクノロジは、フルHD動画の録画/再生に対応する携帯電話向けアプリケーションプロセッサー「SH-Mobile HD1」を開発した。5.1chサウンドやHDMI出力、家電ネットワークとのコンテンツ共有にも対応する。
ルネサス テクノロジは4月23日、1チップでフルHD動画の録画や再生に対応する業界初の携帯電話向けアプリケーションプロセッサー「SH-Mobile HD1」(製品名:SH7370)を発表し、サンプル出荷を開始した。
SH-Mobile HD1は、H.264/MPEG-4 AVC形式のフルHD動画を秒間30コマで録画再生できるアプリケーションプロセッサーと、512MビットのSDRAMを10×11ミリの小型パッケージに収めたLSI。最大動作周波数を500MHzと従来から約2倍に高速化したほか、従来比約6倍に及ぶ動画像処理部(VPU:Video Processing Unit)の高性能化と内部バス構造の見直しなどで集積度を向上させ、フルHD動画の処理を実現させた。
カメラモジュールからの動画像入力は標準インタフェースのMIPI(Mobile Industry Processor Interface)-CSI2を採用。電源管理の強化で消費電流を低減しており、携帯電話でもデジタル家電と同等の動画アプリケーションを搭載できるという。
また、音声処理専用の24ビット音声専用のDSPを2個搭載。AACやAC-3形式の処理を1つのDSPで行い、一方のDSPでイコライザなどの高音質処理やSRC(Sampling Rate Converter)処理を同時に行えるほか、2個のDSPを同時に使って5.1chなど高負荷な音声再生の処理も可能だ。
そのほか、HDMI用LSIとの接続インタフェースを内蔵したことで、薄型テレビやHDDレコーダーなどへのフルHD出力にも対応。SDカードや無線LANモジュールとの接続機能もあり、MPEG2-TS形式やMP4形式の映像コンテンツをデジタルホームネットワークと共有することができるという。
製品名 | SH-MobileHD1(SH7370) |
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パッケージ・サイズ | 407ピンBGA(10×11ミリ、0.4ミリピンピッチ、厚さ1.4ミリ) |
CPUコア | SH4AL-DSP |
動作周波数 | 500MHz |
電源電圧 | 内部:1.15〜1.3V、外部:2.5〜3.6Vまたは1.65〜1.95V |
内蔵RAM | ILRAM:4Kバイト、RSRAM:2Kバイト |
キャッシュメモリ | 32Kバイト命令/32Kバイトデータ分離(4ウェイセットアソシアティブ方式) |
X/Yメモリ(DSP用) | 16Kバイト |
搭載SDRAM | 512MビットSDRAM |
1万個ロット時の価格 | 4000円 |
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