MediaFLOに新商用サービス――蓄積型クリップキャストなど4種を2010年下半期に提供
全米でMediaFLOでのマルチメディア放送サービスを提供するFLO TVが4月13日、インタラクティブサービスやタイムシフト視聴などの新サービスを2010年下半期に開始すると発表した。
Qualcommの子会社で、米国でMediaFLO方式の携帯端末向けマルチメディア放送サービスを提供するFLO TVは4月13日(米国時間)、4つの新サービスを2010年下半期に開始すると発表した。
現在提供しているストリーミング映像配信に加え、新たに商用サービスとして提供されるのは、以下の4つだ。
- インタラクティブサービス
- ペイパーデイパス
- イベントパス
- タイムシフト視聴
これらはこれまで「IPマルチキャスト」「蓄積型クリップキャスト」といった名称で実験が進められてきた技術で実現する。
インタラクティブサービスでは、ユーザーが番組を見ながらボタンをクリックすることで、番組の詳細情報の表示や広告の商品購入ができるようになる。またペイパーデイパスなら、番組を視聴するために月額会員にならなくても、1日のみの視聴が可能。見たい番組がある日だけ視聴料を払うという利用が可能になる。
イベントパスは、すでにFLO TVの視聴契約をしている加入者向けのプレミアムコンテンツで、通常番組だけでなく、特別番組などのプレミアムコンテンツの視聴が可能になるサービス。タイムシフテッド視聴・キャッチアップTVは、蓄積型クリップキャストサービスを活用して、あらかじめ選んだ番組が自動的に端末にダウンロードされ、時間を選ばず、電波が圏外でも視聴できるサービスだ。
こうしたサービスは、携帯電話だけでなく、今後登場するスマートブックや電子書籍リーダー、タブレットPCなどのさまざまなモバイルデバイスにも搭載されていくという。
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