Nokia、Windows Phone 8端末「Lumia 920」「Lumia 820」を発表
NokiaとMicrosoftが9月5日(現地時間)、ニューヨークでイベントを開催し、Nokiaの最新フラッグシップスマートフォン「Lumia 920」と、その廉価版に当たるミッドレンジモデル「Lumia 820」を披露した。
Nokiaが9月5日(現地時間)、米国ニューヨークで開催したイベントで、Windows Phone 8を採用した次期フラッグシップモデル「Nokia Lumia 920」とミッドレンジモデル「Nokia Lumia 820」を発表した。いずれもLTEやHSPA+などW-CDMAの各種通信企画をサポート。さらにワイヤレス充電規格「Qi」に対応するのが特徴だ。出荷時期は地域別に順次発表するとしている。
PureViewカメラ、Qiなど新技術を盛り込んだ「Lumia 920」
Nokiaのスマートフォンの新たなフラッグシップモデルとして発表されたLumia 920は、1.5GHzで動作するデュアルコアプロセッサ、Qualcomm Snapdragon S4を採用し、4.5インチのPureMotion HD+ディスプレイ(IPS液晶ディスプレイ)を搭載する。解像度は768×1280ピクセルのワイドXGAで、1677万色表示をサポートする。
他社との最大の差別化ポイントとしてNokiaが掲げるのは、PureView技術を採用した8.7Mピクセルカメラだ。手ブレ補正機能も備えた焦点距離26ミリ、F2.0のCarl Zeissレンズを装備するこのカメラは、「一般的なスマートフォンのカメラと比べて約5倍の光を集められる」としており、屋内や暗い場所、夜間などの状況で、フォトライトなしでもブレのない写真が撮れるという。カメラ専用のシャッターキーも側面に用意した。フルHDの動画撮影も可能だ。インカメラも1280×960ピクセルと解像度が高い。
またNokiaが得意とする、「Nokia Maps」や「Nokia Drive」といった位置情報サービスのラインアップに正式に加えられた、AR機能を活用する「City Lens」機能もサポートした(これまではβ版がNokia Beta Labsから配信されていた)。街中でCity Lensをかざすと、目の前の景色に店舗情報などがオーバーレイ表示されるサービスで、Nokia Mapsなどと適宜切り替えて利用することで、歩行者ナビゲーションの一助となる。
このほか、ワイヤレス充電「Qi」をサポートし、専用の充電器を同梱するのもポイント。日本ではNTTドコモが積極的に普及促進を図っているため対応機種が多いが、海外メーカー製端末では珍しい。ビビッドなボディカラーと同じ色のコンパクトな充電器で、ケーブルをつなぐことなく充電できる。バッテリー容量が2000mAhと非常に大きいのも特徴だ。3Gでの連続通話時間は10時間、連続待受時間は400時間となっている。
ボディカラーはyellow、red、grey、white、blackの5色。外形寸法は幅70.8ミリ、高さ130.3ミリ、厚さ10.7ミリで、重量は185グラム。W-CDMAは850/900/1900/2100MHz対応、LTEは800/900/1800/2100/2600MHz対応。NFCもサポートしている。RAMは1Gバイト、ストレージ領域となるROMは32Gバイトを用意する。
Lumia 920のエッセンスを詰め込んだミッドレンジモデル「Lumia 820」
Lumia 920と同時に発表されたミッドレンジモデル「Lumia 820」は、4.3インチの有機ELディスプレイを搭載したモデル。最新OS Windows Phone 8を手軽に体験できるのが魅力だ。
ディスプレイの解像度は従来通り800×480ピクセル。デュアルコアプロセッサSnapdragon S4 1.5GHzを採用し、LTEでの高速通信やNFCをサポートするほか、ワイヤレス充電「Qi」に対応するなど、Lumia 920のエッセンスは取り込みつつ、一部のスペックは控えめになっている。例えばバッテリー容量は1650mAhに減っており、その分3Gでの連続通話時間は8時間に、連続待受時間は330時間になっている。
カメラは8MピクセルのCMOSで、焦点距離28ミリ、F2.2のCarl Zeiss Tessarレンズを搭載する。フルHD(1920×1080ピクセル)/30fpsの動画撮影も可能で、VGA解像度のインカメラも搭載した。City Lens機能も利用できる。
ボディカラーはred、yellow、grey、cyan、purple、white、blackの7色をラインアップ。好みに合わせて選択できる。外形寸法は幅68.5ミリ、高さ123.8ミリ、厚さ9.9ミリで重量は160グラム。W-CDMAは850/900/1900/2100MHz対応、LTEは800/900/1800/2100/2600MHz対応。RAMは1Gバイト、ROMは8Gバイト。
Virgin Atlantic、The Coffe Bean & Tea LeafがQi充電器を設置
新しいLumiaがQi準拠のワイヤレス充電をサポートしたことに合わせ、家以外の場所でもQiの充電スポット補確保すべく、Nokiaはロンドン・ヒースロー空港にあるVirgin Atlanticのクラブハウスラウンジと、The Coffe Bean & Tea Leafというカフェチェーン店の米国内の一部店舗でQi充電器の設置を進めることも合わせて発表した。日本ではNTTドコモが「おくだけ充電」という名称でANAの空港ラウンジやナチュラルローソン、プロントなどと提携して充電器を設置しているが、これと似た動きとなっており、米国でもワイヤレス充電が可能な拠点が増えそうだ。
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