住友商事は「スマートエネルギーWeek 2015」において、フランスSaftの蓄電池を利用した2種類の蓄電システムを展示した。出力10kWのシステムは、系統電力と太陽光発電、電気自動車、蓄電池という4種類の電力源から電力を建物に供給できる。MW級の構成が可能なコンテナ型のシステムは、再生可能エネルギーによる電力の出力変動を吸収できる。
住友商事は東京で開催された「スマートエネルギーWeek 2015」(2015年2月25日〜27日)において、2種類の蓄電システムを展示した。いずれもモジュール構成を採る。「標準構成から蓄電池容量を増減できることが特徴だ。出力を高める、容量を高めるなど、用途に応じて特性が異なる蓄電池を選ぶことが可能だ」(住友商事)。標準仕様を定め、蓄電池とそれ以外の部分を分離して、開発コストを抑えた製品だ。
1つ目は「サフトリチウムイオン蓄電池+V2H産業用カスタムシステム」(図1)*1)。屋外に設置し、商業施設やマンション、病院などに電力を供給するための装置だ。BCP(事業継続計画)や電力需要のピークカットなどを助ける。
蓄電池の容量は最小容量の10kWhから増設可能。パワーコンディショナーの容量は10kVA(10kW)である。装置全体の寸法は高さ1220mm、幅1320mm、奥行430mm。
*1) 住友商事はフランスSaftの日本輸入総代理店である。同装置はアイケイエスが製造し、Saftの蓄電池を利用する。
特徴は内蔵する双方向パワーコンディショナー(PCS)が、太陽光発電システムからの入力、蓄電池との入出力、電気自動車とのV2H(Vehicle to Home)を一手に引き受けること。
図2は平常時の動作だ。太陽光発電システムの出力を利用して、建物に電力を供給する。余剰分は蓄電池に充電する。蓄電池への充電をいったん中断すれば、筐体右側に備わる充電器を利用して、電気自動車にも充電できる。最大7kWの電力を電気自動車の充電用に利用可能だ*2)。
*2) 同システムは蓄電池を利用した電気自動車の充電や、電気自動車を利用した蓄電池の充電はできない。系統や太陽光発電を利用した蓄電池や電気自動車の充電など、それ以外の組み合わせは可能だ。
停電時は太陽光発電システムと蓄電池から電力を供給できる。蓄電池の放電を停止すれば電気自動車のV2H機能を利用することも可能だ。
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