電力小売の全面自由化を前に有力企業の提携が活発になってきた。東京電力が2016年1月から導入するポイントプログラムのネットワークにNTTドコモも加わる。東京電力とNTTドコモの利用者はポイントの交換が可能になる。両社が電力の小売で提携する可能性も高まってきた。
NTTドコモが12月から新しいポイントサービス「dポイント」を開始する。新サービスの目玉は2つある。コンビニエンスストアのローソンでポイントを貯めたり使ったりできることに加えて(図1)、共通ポイントサービスの「Ponta(ポンタ)」とポイントを交換できるようになる。
Pontaは東京電力が2016年1月に開始するポイントサービスに導入することを決めたところだ(図2)。Pontaを通じて東京電力とNTTドコモの利用者は相互にポイントプログラムを活用できることから、両社が提携して利用者の拡大に取り組む可能性が大きくなった。
東京電力は2016年4月に始まる電力の小売全面自由化に向けて、家庭の顧客層を維持するために携帯電話会社との提携を検討中だ。全国に5400万人のポイント会員を抱えるNTTドコモと組むメリットは大きい。両社が連携すれば電力と携帯電話のセット割引が可能になる。すでにPontaにはNTT東日本とNTT西日本が参加していることから、固定電話を含めた割引メニューやポイント付与にも発展する。
電気料金や電話料金の支払いにコンビニエンスストアを利用する家庭は多い。今後は料金の支払いにもポイントを使えるようになる。コンビニエンスストアはセブン-イレブンをはじめ各社がポイントサービスを実施しているほか、携帯電話大手のKDDIやソフトバンクもポイントサービスの強化を進めている。ポイントを軸に電力+電話+コンビニの提携が広がっていくことは確実な情勢だ。
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