SKYACTIV TECHNOLOGY第2弾。いよいよ「SKYACTIV DRIVE」がデビューしました。SKYACTIV DRIVEは、トルコンATのロックアップ領域を極限まで高め、なんと82%にまで拡大しています。ロックアップ領域を大幅に拡大したことにより、まるでMT車に乗っているような感覚を得られるといい、動力伝達ロスも最小限に抑えられるため、燃費も向上するというわけです。
マニュアル感覚のATといえば、思い浮かぶのがデュアルクラッチ。デュアルクラッチの弱点は、低速でのギクシャク感です。しかし、このギクシャク感はMT車と同じ構造をしているために動力が直接伝わるからで、MT車でもクラッチをうまく使わないとギクシャクしてしまいます。
SKYACTIV DRIVEはあくまでトルコンATなので、低速でのギクシャク感がありません。低速域では、しっかりとトルコンが仕事してショックを和らげています。
そのままアクセルを踏み込むと、すぐにロックアップ機能が働き、リニアな加速感を得ることができます。まさに、MT車やデュアルクラッチの車を運転しているような感覚。1速から2速への変速時に多少のショックを感じますが、それ以外ではショックを感じることはありません。
「MTモードがとにかく気持ちいい!」と同乗の猿渡健一郎さん(マツダ プログラム開発推進本部 主査)がいうので、MTモードを試してみました。まずは、赤信号で車を停止する手前でシフトを「−」方向へ倒します。すると、ほとんど遅れることなくギアが落ちていきます。思わず「はやっ」と言葉が出てしまったほど。
その後、ある程度速度が出たところで、4→3→2と一気にギアを落としてみました。この動作も実に速い。トルコンATでここまでやられるとデュアルクラッチを採用しているメーカーは驚異に感じているに違いないでしょう。
何故なら、SKYACTIV DRIVEはデュアルクラッチより小さく、そして軽いのです。当然重量は燃費にも影響が出てきます。ダイレクトに動力を伝え、ギクシャク感はほとんどなく、軽量コンパクト。まさに理想のミッションです。
ロックアップ領域を広げたおかげで、ダイレクトに動力が伝わるようになった半面、トルコンを滑らせて一気にエンジン回転をあげ、トルクの太い部分で加速するという小細工が使えなくなりました。そのため、出だしが重い感じです。
もっと大きなトルクのあるエンジンであればこのような感じはなくなると思いますが、2リッターNAが生み出すトルクではロックアップが裏目に出てしまった感が残りました。SKYACTIV TECHNOLOGYの進化で、もっと低回転でトルクの太いエンジンなんて作れないですかねー? もしくはSKYACTIVターボとか(笑)。現実的な対策としては、ATをもっと多段化してギア比を下げることだと思います。
今回の試乗は、久々に衝撃を受ける試乗でした。クルマはドンドン進化を続け、「ほかにどこが進化するのよ? 燃焼効率くらい??」なんて思っていましたが、トルコンATにこんな感動を覚えるとは思いもしませんでした。クルマの可能性は∞ですね。
JAPAN DRIVE Festは10月8日から開催されるので、ぜひこの機会にマツダのお店に行って試乗してみることをお勧めします。クルマ好きなあなたなら、この感動を共感できるはず。何故なら、車は乗らなきゃ分からないことだらけなのだから。
項目 | 詳細 |
---|---|
グレード | 20S-SKYACTIV |
価格 | 215万円 |
サイズ | 4460×1755×1465ミリ(全長×全幅×全高) |
燃費 | ガソリン1リットル当たり16.2キロ(JC08モード)、18.8キロ(10・15モード) |
エンジン最高出力 | 113キロワット(154馬力)/6,000rpm |
エンジン最大トルク | 194ニュートンメートル/4100rpm |
今回の試乗が終えて、車の進化の可能性にわくわく感が止まりません(笑) ホントに、このSKYACTIV DRIVEをいろいろな車に展開してほしい。そして、他メーカーがどんな反応を示すか? どんな新技術が生まれてくるのか? もう、ホントにわくわくです。
※この記事は、誠ブログ「初搭載!マツダ SKYACTIV DRIVEは理想のATだった!!」を転載しています。
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