私とカメラマンは、バイオ燃料フライトでハンブルグからフランクフルトへ到着した。しかし今回の取材は、それで終わりというわけではない。前半の取材テーマがルフトハンザの未来に向けた活動だとしたら、後半のテーマは、いわば歴史と伝統を守る取り組みだ。同社が大切に維持・保管する名機、ユンカースJu52のフライトを体験した(写真撮影:佐藤眞博、秋本俊二)。
Ju52は、1930年代にドイツのユンカースが開発したレトロな航空機だ。かつてはルフトハンザが同機を使用してベルリン/ローマとベルリン/ロンドンを約8時間で結び、利用者の間では「タンテ・ユー(ユーおばさん)」と呼ばれ親しまれた。1936年に処女飛行して以来、今年で75回目の誕生日を迎えたJu52。飛行可能な機体は現在、世界にわずか数機しか残っていない。
そのJu52を、ルフトハンザは1984年に創業60周年の記念事業の一環として中古機市場から買い戻した。そして飛行機好きのメカニックらの手で大切に整備・保存が進められ、2010年夏から同機による定期遊覧飛行を復活させたのだ。ドイツ取材の最終日、私たちはフランクフルトで、幸運にもこのJu52によるフライトを体験することができた。
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