エレガントさと先進技術の両立への挑戦――オシアナス「Manta S2000」OCEANUS Manta デザイナーインタビュー(2/4 ページ)

» 2011年12月16日 08時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

新しくなったSmart Accessモジュール

──Smart Accessのモジュール自体も、新しく開発されたのでしょうか?

S2000 リューズスイッチ

富松さん はい。マンタに搭載するにあたって、すべてを一から設計し直しています。機能面でもT1000に搭載されたSmart Accessと比べてスリム化し、より実用性に特化した仕様になっています。

 T1000に搭載されたSmart Accessは、リューズスイッチの「押す、引く、まわす」という操作で、ワールドタイムの都市切り替えやストップウオッチ、アラーム、タイマーという機能にアクセスできるようになっています。

 一方、S2000では「マンタに対して、お客さまは何を求めているのか。そして、われわれはそれにどう応えていくのか」ということを徹底的に議論した結果、ワールドタイムを中心に、機能をスリム化しました。リューズスイッチの操作も「引く、まわす」の2つになっています。

──よりユーザビリティを重視した仕様になったということですか?

S2000

富松さん そのとおりです。さまざまな面で使い勝手が向上しています。例えばT1000のSmart Accessでは磁気センサーでリューズスイッチの動きを検出する非接触方式を採用しました。そのため、リューズスイッチを回したときの感触がまったくありません。これはリューズスイッチを早くまわせば針が大きく、ゆっくり回せば針が細かく動くという機能を実現していました。

 今回、S2000のリューズスイッチは接触型にしました。これは、回したときにクリック感があり、ワールドタイムを設定する操作ではしっかりとした手ごたえを返します。これによって設定したい都市にスムーズに合わせられるでしょう。どちらが優れているということではなく、求められている機能に最適な操作系を提供しているのです。

 ユーザビリティという面では、サマータイムの自動設定機能を初めて搭載しました。従来モデルでは、ユーザーがサマータイムを設定する必要があったのですが、S2000ではタイムゾーンとカレンダーから「その都市はいまサマータイムかどうか」を自動的に判別して、正しい時刻に自動的に合わせます。

 もともとSmart Accessは、腕時計をよりスマートに、よりエレガントに操作するために開発していたものなのです。T1000で搭載して熟成したものがマンタに搭載されたということは、より完成の域に近付けたといえるでしょう。

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