エレガントさと先進技術の両立への挑戦――オシアナス「Manta S2000」OCEANUS Manta デザイナーインタビュー(3/4 ページ)

» 2011年12月16日 08時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

金属感がかもし出すブルーの質感にこだわった文字盤デザイン

──デザイン面では、やはり文字盤が全体の印象を大きく左右すると思います。S2000の文字盤デザインの差別化ポイントは?

富松さん S2000では、マンタ S1400とは異なり、2個のインダイヤルを縦に配置した「縦目玉」のレイアウトを採用しています。これは、T1000と同じレイアウトなのですが「Smart Accessだから縦目玉」というわけではなく、縦配置で情報を提示した方がユーザーにとって実用的で使いやすいのではないかという理由からです。

 また、文字盤のデザインでこだわったのが、オシアナスのコンセプトカラーであるブルーの見せ方です。ブルーに彩られたパーツの金属感の見せ方、ここはT1000とは大きく異なるデザイン上のポイントです。

 T1000では、「ブルー配色の部分に機能を集約させる」という見せ方でした。一方、S2000では「金属感がかもし出すブルーの質感」というものにこだわった結果、リングの形をシンプルにして輝きをしっかり見せたり、あるいはリングの斜面を最も輝きが映える角度に設定したりと、さまざまな工夫を凝らしました。

S2000 「”深化”するブルー」と書かれたデザイン画には少しずつ異なる青が描かれていた

──文字盤の視認性という面でも、ほかのモデルに比べて"ワンランク上”という印象があります

富松さん そうですね。例えば、今までのオシアナスの文字盤ではきらきらした金属感が表現されています。一方、S2000ではマット調の落ち着いた印象の質感にして、より視認性を向上させました。これによって、金属部分とのコントラストがはっきりし、ブルーがより一層映えるような演出になっています。

 デュアルカーブのガラスには両面無反射処理を施して、さらに視認性を高めています。S1400では裏面にだけ無反射処理を施していたのですが、S2000ではそれを両面に施したわけです。この差は特に屋外で顕著に表れます。これまでは角度によっては太陽光が反射することがありましたが、S2000ではどの角度でもはっきりと針の位置が分かるのです。ぜひ店頭で見比べてください。

──ちなみに白文字盤モデルでは、白蝶貝が使われています。これはどういった意図で採用されたのでしょうか?

S2000 白蝶貝を使った「OCW-S2000PW」

富松さん オシアナスは電波ソーラー時計なので、文字盤は光を通すプラスチック素材です。白のプラスチックというのは質感を出すのがとても難しい。

 しかし、マンタはエレガントさや上質感を重視しています。そこで、白いプラスチック文字盤の質感を向上するために白蝶貝を使いました。白蝶貝は文字盤の中心部分に配置してありますが、その周囲を取り巻くプラスチック部分にも特殊な加工を施して、金属調の光沢が出るようにしています。白蝶貝の質感と相まって、より輝きが強調されるようなデザインになったのではないでしょうか。

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