カシオ計算機は2011年10月29日、ソーラー電波ウオッチ「OCEANUS Manta(オシアナス マンタ)」の新モデル「OCW-S2000」を発売した。
マンタはオシアナスブランドの最上位モデルであると同時に、薄型で洗練されたデザインを特徴とする“大人向け”のプレミアムラインだ。新たなフラッグシップモデルとして登場したS2000は、「OCW-T1000」(2010年10月発売)で搭載した新機構「Smart Access」を満を持して採用したモデルでもある。
Smart Accessは、電子式リューズや、5つのモーターによる時針、分針、秒針の独立駆動などの先進的な技術によって構成される直感的な操作体系。この先進テクノロジーと、マンタならではのエレガントなデザインとの両立は、どのように成し遂げられたのだろうか? S2000のデザインを担当したカシオ計算機 デザインセンター 時計デザイン部の富松大輔さんに話を聞いた。
──まずは、オシアナスブランド全体のコンセプトと、その中でのマンタの位置付けについて簡単に教えてください
富松さん オシアナスは「エレガンス&テクノロジー」というブランドコンセプトを掲げています。分かりやすくいえば「デザインと技術」ということになるのですが、この2つは往々にしてトレードオフになりがちです。
オシアナスでは、デザインと技術のバランスを極限まで高いレベルで両立させることを追求しています。これがまさに「エレガンス&テクノロジー」というコンセプトであり、そのトップに君臨するモデルがマンタという位置付けになります。
テクノロジー面では、T1000で初めて搭載したSmart Accessを、マンタとして初採用しました。しかし、S2000はT1000と違い、Smart Accessをマンタならではの洗練されたデザインと両立させなければなりません。もちろん装着性やユーザビリティでも、S2000はT1000より一段上のレベルを実現しています。
──マンタはケース厚が10.9ミリと、ほかのモデルと比べて一段と薄いケースを採用しています。厚さ12ミリのT1000に搭載していたSmart Accessの機構をどうやって収めたのですか?
富松さん その点が最も苦労した点でした。マンタの先代モデル「S1400」と同じ10.9ミリの厚さをキープしつつSmart Accessを搭載するために、リューズスイッチの構造をはじめ、さまざまな部品を新しく設計しました。それこそコンマ1ミリの世界です。
例えば、ガラスの曲率や針の高さなど、外装チームや実装チームと協力しながら極限まで薄型化しました。それこそ、普段の会話の中で「0.05ミリ」という数値が普通に飛び交う世界の中での作業でしたね。
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