フェラーリFF、とても新鮮に感じるシューティングブレーク的ルックス岡崎宏司のクルマ DE トリップ(1/5 ページ)

» 2012年07月02日 13時43分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV

著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。

※この記事は、LUXURY TVより転載しています。


 まず「FF」の意味ですが、いうまでもなくFWDの意味ではありません。だいたい、フェラーリがFWD車など造るわけがありません。

岡崎宏司 見事なプロポーションです

 では何の意味かというと、これは「Ferrari」「Four」の頭文字を取ったものです。そして「Four」は「4シーター」と「4WD」を意味します。ちなみに、今までにも4シーターのフェラーリはありました。でも、「まともに4人乗れる4シーター」はこれが初めてです。

岡崎宏司 ワイドで下からあおり気味に撮っていますが、実物はもっと精悍です

 どれほどまともに乗れるかというと……。身長165センチの筆者が前後に座って、後席膝元には握りこぶし2個分、頭上には1個分程度の余裕が残ります。つまり、FFの後席はコートやバッグ置き場ではなく、大人がまともに乗れるということです。

 もっとも、フェラーリを買うような人が、「4人乗れる」ことを実用的利点として、購買動機にするとは考えられません。まあ、子供と一緒に楽しみたいとか、友達を誘って食事に行くようなとき、一緒に行った方が楽しいとか、そんな意味でFFを選ぶ人はいるでしょうが、基本はあくまでも「遊び心」にあるということです。

 フェラーリとしてはとても新鮮に感じるシューティングブレーク的ルックスに惹かれる人も少なくなさそうです。長いノーズの下には、6.3リッターV12が積まれていますが、660馬力、683ニュートンメートルの出力/トルクはフェラーリ史上最強です。

岡崎宏司 フェラーリ市販車史上最強の6.3リッターV12は660馬力/683ニュートンメートルを引き出します。エンジンルームも美しく仕上げられています
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