羽田発、碧きカリブの優雅な休日秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(4/6 ページ)

» 2013年05月17日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

旅の途中で出会った陽気なキューバ人たち

 カーニバル・イマジネーション号は3日目の午後早く、メキシコ南部のコズメル島に寄港した。夜10時の出航まで、ここで9時間ほど停泊する。私たちはマヤ文明の遺跡で知られるトゥルムをフェリーとバスで訪ねるツアーに参加することにした。

 クルーズ船を降りて、桟橋を300メートルほど移動。指定された青と黄色のフェリーに乗り込んで、空いていそうな船室に席をとる。すると、同じ船室に遅れて入ってきたのが、おそろいの真っ赤なTシャツを着た25名ほどのグループだった。キューバのハバナからカリブ海クルーズに参加していた旅行者たちだ。

飛行機と空と旅飛行機と空と旅 (左)コズメル港からフェリーでマヤの遺跡へ(右)船内で会ったとびきり陽気なキューバ人たち

 何が面白いのか、席に着くなりゲラゲラ、ギャーギャーと大騒ぎが始まる。誰かがひと言しゃべると、全員でギャーハッハッハ! 他の仲間が言葉を返すと、それに反応してまたギャーハッハッハ! そのうち、私の向かいに座ったでっぷりした女性が「どちらからですか?」と訊いてきた。

 私が「東京から」と答えると、全員でいっせいにギャーハッハッハ! クルーズは楽しんでいますか? その質問に「もちろん」と返すと、また声をそろえてギャーハッハッハ!

 「ハバナには来たことある?」

 「あるよ、ずっーと前に、1回だけ」と私。「すごく楽しかったのを覚えている。また行きたいな」

 すると隣の、私の5倍くらい身体の大きい男性が立ち上がって「おい、聞いたか? この人、またハバナに来たいって」と大きな声を出し、そうして船室が壊れそうな怒号に近い笑い声でギャーハッハッハ!

 40分後、フェリーはユカタン半島の船着き場に到着した。そこからは3台のバスに分かれて、遺跡に向かう。キューバ人のグループとは、残念ながら私たちは別のバスに。あいつら、どのバスに乗っているのかな? そう思って窓を開けると、1台うしろのバスから「ギャーハッハッハ!」という地響きのような声が漏れていた。

飛行機と空と旅飛行機と空と旅 (左)ユカタン半島のトゥルムにある遺跡群(右)コズメル島はビーチリゾートとしても人気

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