エミレーツ航空のスーパーハブ、ドバイ国際空港秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)

» 2013年08月13日 07時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

都市の成長とともに進化する玄関口

 アラブ首長国連邦のドバイの中心部に位置する同空港の開港は、1960年である。それはごくごく小規模なローカル空港としてのスタートだった。現在のような超巨大かつ近代的な姿を、当時の誰が想像しただろう。

 その後、石油発掘をきっかけに、商業と観光と金融の複合都市としてドバイの急速な成長が始まる。同時に玄関口である空港も、めまぐるしい進化を遂げた。エミレーツ航空が専用で使用するターミナル3の建設には、じつに42億ドルもの資金が投じられている。イスラムデザインの窓に、ガラス張りの壁。ぜいたくな吹き抜けのスペースと周囲に植えられたヤシの木が、独特の解放感をかもし出す。イスラム世界の伝統を意識させながら、心身ともにくつろげる近代的なオアシスの雰囲気をにじませている造りもいい。

飛行機と空と旅 ぜいたくな吹き抜けのスペースにヤシの木などの緑を配置
飛行機と空と旅 各ゲートは直線上にレイアウト。利用者は動く歩道で移動していく

 設計に際しては機能性にも配慮した。広大な横長の敷地に各ゲートを直線上に配置しているため、初めての利用者でも乗り継ぎなどで戸惑うことはない。敷地は広いもののすべてのゲートが動く歩道でつながっているので、移動もラクラクだ。ターミナル内の施設も充実している。各国の料理を楽しめるレストラン街やラグジュアリーホテル、大型免税店のほか、最新鋭のマシンを備えたフィットネスジムに医療センター、子どものためのプレイグランド、会議室などを完備。どんなニーズにも応えてくれるという意味では、ひとつの街だと言っていい。しかもそれらが24時間利用できる。

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